結論から言うと、アクリルは毛玉ができやすい素材です。アクリル素材の衣類に毛玉ができる主な原因は、着用時や洗濯時の摩擦、繊維の強さ、そして静電気にあります。
しかし、「毛玉ができやすいから」と着るのを諦める必要はありません。洗濯ネットを使ったり、裏返して洗ったり、着用時の摩擦に気を配ったりと、正しい洗濯方法や着方の工夫を取り入れることで、毛玉の発生はかなり減らすことができます。
この記事では、アクリルに毛玉ができる原因から、今日からできる予防方法、もし毛玉ができてしまった場合の正しい取り方までを徹底的に解説します。さらに、ウールやポリエステルなど他の素材との比較や、毛玉ができにくい服の選び方も紹介しています。この記事を読めば、お気に入りのアクリル製のセーターやカーディガンを綺麗な状態で長く楽しむためのヒントがすべて分かります。ぜひ参考にして、日々のケアに取り入れてみてください。
1. アクリルは毛玉ができやすい素材です
アクリル素材の服を着ていると、ふと気づいたときに毛玉がたくさんできていた、という経験はありませんか。
お気に入りのニットやカーディガンに毛玉ができると、少し残念な気持ちになりますよね。
実は、アクリルは衣料品に使われる素材の中でも、毛玉ができやすい性質を持っています。
アクリルは、もともと高級な動物繊維であるウール(羊毛)に似せて作られた合成繊維です。ふっくらとしたボリューム感があり、空気をたっぷり含むため、あたたかさを感じやすいのが特徴です。
そのため、セーターやニット、マフラー、カーディガン、冬用の毛布など、私たちの身近な防寒アイテムにもよく使われています。
ウールに比べると価格が手頃で、軽くてあたたかく、虫食いの心配も少ない素材です。毎日の服にも取り入れやすく、扱いやすいところが大きな魅力です。
ただし、その一方で「毛玉ができやすい」「静電気が起きやすい」という弱点もあります。
アクリルの服に毛玉ができると、「安い服だから品質が悪いのかな」と感じてしまう方もいるかもしれません。ですが、必ずしもそうではありません。
毛玉ができやすいのは、アクリルという素材そのものの性質によるものです。
アクリルの繊維は、ウールなどの天然繊維に比べて丈夫で、簡単には切れにくい特徴があります。じつは、この丈夫さが、できた毛玉を生地の表面に残りやすくしてしまう理由のひとつです。
つまり、アクリルに毛玉ができやすいのは、価格や品質だけの問題ではありません。素材の個性として知っておくことが大切です。
アクリルの特徴をきちんと知っておくと、毛玉とも上手に付き合いやすくなります。お気に入りの洋服を長くきれいに楽しむためにも、素材に合ったお手入れを心がけていきましょう。
2. アクリルに毛玉ができる原因
2-1. 摩擦で毛羽立ちが起きる
アクリルに毛玉ができる大きな原因のひとつが、「摩擦」です。
衣類を着て動いていると、袖と身頃がこすれたり、椅子に座ったときに背中の部分がこすれたりします。こうした日常の何気ない動きによって、生地の表面にある細かな繊維が少しずつ引き出され、毛羽立ちが起こります。
一度毛羽立った繊維は、そのままにしておくと、さらに摩擦を受け続けます。すると、隣り合う繊維同士が絡まり合い、やがて小さな塊になっていきます。この絡み合った繊維の塊が、「毛玉(ピリング)」と呼ばれるものです。
つまり、毛玉は突然ポコッとできるわけではありません。
まず摩擦によって毛羽立ちが起こり、その毛羽立った繊維同士が絡まり、少しずつ丸い塊へと成長していきます。
特にアクリルは、ふんわりとした風合いを出すために、表面にやわらかな毛羽感を持たせて作られていることがあります。そのため、摩擦の影響を受けやすく、毛玉につながりやすいのです。
お気に入りのニットを何度か着ているうちに、袖口や脇のあたりに小さな毛玉ができてしまうのは、こうした小さな摩擦の積み重ねが関係しています。
2-2. アクリルの繊維は丈夫で毛玉が残りやすい
摩擦によってできた毛玉が、アクリルの服に目立って残りやすいのは、アクリルという素材の「繊維の強さ」が関係しています。
実は、ウールやカシミヤなどの天然繊維にも、摩擦によって毛玉はできます。ただし、天然繊維はアクリルに比べると繊維が切れやすいため、できた毛玉が着用中の摩擦や洗濯時の水流で自然に取れていくことがあります。
そのため、毛玉ができても表面に残りにくく、結果として目立ちにくい場合があります。
一方で、アクリルは石油を原料として作られる合成繊維です。繊維そのものが丈夫で切れにくいため、一度絡み合って毛玉になると、自然にちぎれて落ちにくいという特徴があります。
その結果、毛玉が生地の表面にしっかり残ってしまい、「アクリルの服は毛玉ができやすい」と感じられやすくなります。
アクリルは、毛玉ができやすいだけでなく、できた毛玉が取れにくい素材でもあります。この点が、アクリル素材の衣類をお手入れするときに知っておきたい大切なポイントです。
2-3. 静電気やホコリも毛玉の原因になる
冬場にアクリルのセーターを脱ぐとき、「パチパチ」と静電気を感じたことはありませんか。
この静電気も、毛玉をできやすくする原因のひとつです。
アクリルは水分を含みにくい性質があるため、空気が乾燥する季節には静電気が起こりやすくなります。静電気が発生すると、空気中のホコリや、ほかの衣類から出た細かな繊維、ゴミなどを引き寄せやすくなります。
まるで小さな磁石のように、ホコリや繊維を集めてしまうイメージです。
引き寄せられたホコリやゴミは、アクリルの毛羽立った繊維に絡みつきます。すると、ただ繊維同士が絡まるだけの場合よりも、さらに複雑な塊になりやすく、毛玉が大きくなる原因になります。
また、ホコリを巻き込んだ毛玉は、黒ずんで見えることがあります。せっかくのニットやカーディガンも、毛玉が目立つだけで、少し古びた印象になってしまうことがあります。
静電気を防ぐことは、不快なパチパチ感を減らすだけではありません。毛玉を予防し、衣類をきれいに見せるためにも大切なお手入れのひとつです。
2-4. 編み方や混紡素材でも毛玉のできやすさは変わる
アクリル素材だからといって、すべての衣類に同じように毛玉ができるわけではありません。
毛玉のできやすさは、衣類の「編み方」や、ほかの素材と混ぜて作られる「混紡」の割合によっても変わります。
まず、編み方を見てみましょう。
太い糸でざっくりと編まれた「ローゲージニット」は、繊維と繊維の間にすき間が多いのが特徴です。ふんわりとした見た目でかわいらしい反面、摩擦を受けたときに繊維が動きやすく、毛玉ができやすい傾向があります。
一方で、細い糸で密に編まれた「ハイゲージニット」は、繊維がしっかり固定されやすいため、毛羽立ちが起こりにくくなります。そのため、ローゲージニットに比べると、毛玉の発生を抑えやすい素材感といえます。
次に、混紡素材についてです。
アクリル100%の衣類は毛玉ができやすい傾向がありますが、アクリルとウールを混ぜた素材にも注意が必要です。ウールは毛羽立ちやすく、アクリルは繊維が丈夫で切れにくいため、この2つが組み合わさると、繊維同士がしっかり絡まり、頑固な毛玉になってしまうことがあります。
一方で、アクリルと綿(コットン)を混ぜた素材は、アクリル100%のものに比べて毛玉ができにくい場合があります。綿は静電気が起きにくく、表面も比較的なめらかなため、毛羽立ちやホコリの付着を抑えやすいからです。
アクリル素材の服を選ぶときは、デザインだけでなく、編み目の粗さや素材表示タグも少し確認してみましょう。
「ざっくり編みでかわいいけれど、毛玉はできやすいかもしれない」
「綿が混ざっているから、少し扱いやすそう」
そんなふうに素材の特徴を知っておくと、お気に入りの服をより長く、きれいに楽しみやすくなります。
3. アクリル100%は毛玉ができやすい?
洋服の品質表示タグを見たときに「アクリル100%」と書かれていると、「すぐに毛玉ができてしまうのかな?」と少し心配になる方もいるかもしれません。
先にお伝えすると、アクリル100%の衣類は、ほかの素材に比べて毛玉ができやすい傾向があります。
アクリルだけで作られたセーターやカーディガン、マフラーなどは、ふんわりとした柔らかい肌触りと、あたたかさが魅力です。寒い季節には、つい手に取りたくなる素材ですよね。
ただし、アクリルは繊維そのものが丈夫で切れにくく、静電気を帯びやすいという特徴があります。そのため、バッグが当たる脇や腰まわり、袖口などに摩擦が起こると、毛玉ができやすくなります。
さらに、できた毛玉が自然に取れにくく、生地の表面に残りやすいのも特徴です。
とはいえ、アクリル100%の服が、少し着ただけですぐにくたびれた印象になるわけではありません。
毛玉のできやすさは、素材だけで決まるものではなく、編み目の細かさや着る頻度、日常でどれくらい摩擦を受けるか、そして洗濯方法によっても大きく変わります。
たとえば、アクリル100%のローゲージニットをよく着る場合は注意が必要です。ローゲージニットとは、ざっくり編まれた厚手のセーターのことです。
このようなニットを着てリュックサックを背負ったり、ほかの衣類と一緒に洗濯機へそのまま入れて洗ったりすると、毛玉が目立ちやすくなってしまいます。
一方で、同じアクリル100%でも、ハイゲージのカーディガンなら毛玉が目立ちにくい場合があります。ハイゲージとは、細かく目の詰まった編み方のことです。
着たあとは軽くブラッシングをして、洗うときは洗濯ネットに入れます。さらに、おしゃれ着用洗剤を使ってやさしく洗ってあげると、きれいな状態を保ちやすくなります。
アクリル100%の服には、ウールなどの天然素材に比べて気軽に取り入れやすい、虫食いの心配が少ない、鮮やかな色を楽しみやすいといったメリットがあります。
毛玉ができやすいという注意点はありますが、摩擦を避けたり、洗い方を少し工夫したりするだけでも印象は変わります。
お気に入りのアクリルアイテムを長く楽しむためにも、着たあとのひと手間を大切にしてあげましょう。
丁寧にお手入れすれば、アクリル100%の服は寒い季節の心強い味方になってくれます。
4. アクリルと他の素材の毛玉のできやすさを比較
衣類は、使われている素材によって毛玉のできやすさが変わります。
同じように見えるニットやスウェットでも、素材が違うだけで「毛玉ができやすいもの」「できても目立ちにくいもの」「できた毛玉が残りやすいもの」があります。
ここでは、アクリルと代表的な素材であるポリエステル、ウール、ナイロン、綿を比べながら、毛玉のできやすさを見ていきましょう。
まずは、素材ごとの特徴を表で確認してみてください。
| 素材 | 毛玉のできやすさ | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| アクリル | できやすい | 軽くて暖かく、ニットによく使われる | 摩擦や静電気の影響を受けやすく、できた毛玉が残りやすい |
| ポリエステル | ややできやすい | 丈夫でシワになりにくく、乾きやすい | 他の素材と混ざった生地では、毛玉が取れにくくなることがある |
| ウール | できるが、落ちやすい場合もある | 暖かく、風合いや吸湿性に優れている | デリケートで縮みやすく、お手入れに少し気を使う |
| ナイロン | 比較的できにくい | 表面がなめらかで、とても丈夫 | 強い摩擦を受け続けると、毛羽立つことがある |
| 綿(コットン) | 比較的できにくい | 肌触りがよく、日常着に使いやすい | 織り方や起毛加工によっては、毛羽立つことがある |
素材ごとの違いを知っておくと、服を選ぶときやお手入れをするときに役立ちます。
ここからは、アクリルとそれぞれの素材の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
アクリルとポリエステルの違い
ポリエステルも、アクリルと同じ合成繊維のひとつです。
丈夫で扱いやすく、フリースやスポーツウェアなどにもよく使われています。乾きやすく、シワになりにくいので、日常使いしやすい素材です。
ただし、ポリエステルも摩擦によって毛玉ができることがあります。
繊維が丈夫なため、一度できた毛玉が自然に落ちにくいところは、アクリルと少し似ています。
一方で、アクリルはウールのようなふんわり感を出すために作られることが多い素材です。そのため、表面が毛羽立ちやすく、毛玉もできやすい傾向があります。
ポリエステルは、アクリルに比べると表面がつるっとしているものが多く、毛玉ができるスピードはややゆるやかです。
ただし、ポリエステルと綿などを混ぜた生地では注意が必要です。
複数の素材を混ぜた生地では、ポリエステルの強い繊維がほかの繊維を巻き込み、取れにくい毛玉になることがあります。
アクリルとウールの違い
ウールは、羊の毛から作られる天然の動物繊維です。
アクリルは、ウールのような見た目や手触りを目指して作られた素材なので、どちらもふんわりとした暖かさがあります。
ただ、毛玉のでき方には違いがあります。
ウールも摩擦を受けると毛羽立ち、毛玉ができることがあります。しかし、ウールの繊維はアクリルほど強くないため、できた毛玉が着用中や洗濯中に自然と取れていくこともあります。
つまり、ウールは毛玉ができても、いつの間にか目立ちにくくなる場合があります。
一方で、アクリルの毛玉は繊維がしっかり絡まりやすく、できたあとも残りやすいのが特徴です。
そのため、アクリル素材の服は、毛玉を見つけたら早めにお手入れしてあげると、きれいな状態を保ちやすくなります。
アクリルとナイロンの違い
ナイロンも合成繊維のひとつです。
ストッキングやウィンドブレーカーなどに使われることが多く、摩擦に強いのが特徴です。
ナイロンは表面がなめらかなため、こすれても毛羽立ちにくく、アクリルに比べると毛玉はかなりできにくい素材です。
毎日使うアイテムでも丈夫さを感じやすいので、摩擦が気になる場面では心強い素材といえます。
ただし、ナイロンでもまったく毛玉ができないわけではありません。
起毛加工がされているものや、バッグとのこすれなど強い摩擦を何度も受けるものは、毛羽立つことがあります。
ナイロン素材の服も、強くこすりすぎないように気をつけると安心です。
アクリルと綿(コットン)の違い
綿は、植物から作られる天然繊維です。
Tシャツやスウェット、肌着などに広く使われていて、肌触りのよさが魅力です。
綿の繊維は短く、表面も比較的なめらかです。そのため、アクリルやウールのようにふんわりと毛羽立つことが少なく、毛玉はできにくい素材です。
また、綿は水分を含みやすいため、静電気が起きにくいという特徴もあります。
静電気が少ないと、ホコリや細かな繊維を引き寄せにくくなるので、毛玉が悪化しにくいのも嬉しいポイントです。
ただし、綿素材でも注意したいものがあります。
たとえば、冬用のスウェットのように表面をふんわり起毛させた生地は、摩擦によって毛羽立ちや毛玉ができることがあります。
綿だから絶対に毛玉ができない、というわけではないので、生地の表面の状態もあわせて見ておくとよいでしょう。
毛玉が気になるなら、素材選びとお手入れが大切です
アクリルは、軽くて暖かく、ふんわりとした風合いが魅力の素材です。
ただし、摩擦や静電気の影響を受けやすく、毛玉ができやすい一面もあります。
一方で、ナイロンや綿は比較的毛玉ができにくく、ウールは毛玉ができても自然に目立ちにくくなる場合があります。
服を選ぶときは、デザインだけでなく素材にも注目してみましょう。
お気に入りの服を長くきれいに着るためには、毛玉のできやすさを知っておくことが大切です。
とくにアクリル素材のニットは、バッグや上着とのこすれに気をつけたり、洗濯ネットを使ったりするだけでも、毛玉を防ぎやすくなります。
5. アクリルの毛玉ができやすい場所とシーン
毛玉は、衣類全体にまんべんなくできるわけではありません。
実は、いつも同じ場所にできやすかったり、特定のシーンで目立ちやすくなったりします。
アクリル素材の衣類をきれいに着続けるためにも、毛玉ができやすい場所や場面を知っておきましょう。
5-1. 脇や袖の内側
毛玉ができやすい代表的な場所が、脇の下や袖の内側です。
私たちは、歩いたり作業をしたりするときに、無意識のうちに腕を動かしています。
そのたびに、袖の内側と身頃の生地がこすれ合いやすくなります。
自分ではあまり意識していなくても、日常の中で何度もこすれることで、生地の表面が少しずつ毛羽立っていきます。
そのため、アクリルのセーターなどは、脇の下から袖にかけて毛玉が目立ちやすくなることがあります。
5-2. バッグやリュックが当たる場所
普段使っているバッグも、毛玉の原因になることがあります。
たとえば、リュックサックを背負うと、背中や肩ひもが当たる部分がこすれやすくなります。
歩くたびにリュックの底が腰まわりに触れるため、腰のあたりに毛玉ができることもあります。
ショルダーバッグやトートバッグを使う場合も同じです。
バッグ本体が当たる脇腹や腰、肩ひもが触れる肩口などは、どうしてもこすれやすい部分です。
いつも同じバッグを同じ位置で持っていると、その部分だけ毛玉が目立ちやすくなることがあります。
5-3. 洗濯中にこすれる場所
毛玉は、着ているときだけでなく、洗濯中にもできることがあります。
洗濯機の中では、衣類が水流に揺られながら、ほかの服と絡み合ってこすれます。
その刺激によって、生地の表面が毛羽立ち、毛玉につながることがあります。
特に、アクリルのセーターをそのまま洗濯機に入れてしまうと、袖口や襟元、裾などの端の部分に毛玉ができやすくなります。
これらの部分は、ほかの衣類と触れやすい場所だからです。
また、ジーンズのような硬めの生地と一緒に洗うと、アクリルの生地に負担がかかりやすくなります。
大切なニットは、洗濯ネットに入れるなどして、できるだけこすれを減らしてあげると安心です。
5-4. 重ね着でこすれる場所
冬場は、アクリルのニットの上にコートを羽織ったり、下にインナーを重ねたりすることが増えます。
この重ね着も、毛玉ができる原因のひとつです。
たとえば、アクリルのセーターの上に、裏地が少しざらついたコートを着て歩くと、背中や腕のあたりがコートの裏地とこすれやすくなります。
そのこすれが続くことで、生地の表面が毛羽立ってしまうことがあります。
また、首元にマフラーを巻くと、マフラーとセーターの襟元が触れ合いやすくなります。
気づいたときには、襟まわりに毛玉ができていることもあります。
重ね着をするときは、衣類同士の素材の相性を少し意識してみましょう。
こすれにくい組み合わせを選ぶことで、大切なアクリルの衣類をきれいに着続けやすくなります。
6. アクリルの毛玉を防ぐ着方のコツ
アクリルの毛玉は、日々のちょっとした着方を意識するだけで、ぐっとできにくくなります。
お気に入りのアクリル衣類を長くきれいに着るために、今日から取り入れやすい予防のコツを紹介します。
まず意識したいのは、同じ服を連続で着すぎないことです。
お気に入りのセーターは、つい毎日でも着たくなりますよね。けれど、続けて着ていると生地が休まる時間がなく、摩擦による毛羽立ちが少しずつたまってしまいます。その結果、毛玉ができやすくなってしまうのです。
一度着用したら、最低でも1日から2日は休ませるようにしましょう。服を休ませてあげることで、繊維がふんわりと元の状態に戻りやすくなり、毛羽立ちの進行をゆるやかにできます。
次に気をつけたいのが、バッグとの摩擦です。
アクリルのニットを着る日は、背中全体がこすれやすいリュックサックや、体に密着しやすい斜め掛けのショルダーバッグは、できれば控えるのがおすすめです。手提げのバッグを選ぶだけでも、毛玉の発生を抑えやすくなります。
どうしてもリュックやショルダーバッグを使いたい場合は、アクリルの服の上にアウターを羽織ると安心です。ナイロンなど、摩擦に強い素材のアウターを重ねることで、ニットに直接こすれるのを防ぎやすくなります。
また、着用後に軽くブラッシングすることも、とても効果的です。
帰宅して服を脱いだら、洋服用のブラシで生地の表面をやさしくなでるように整えてあげましょう。ブラシは、豚毛や馬毛などの天然毛のものがおすすめです。
ブラッシングをすると、一日の着用で絡みかけた繊維をほぐし、毛並みを整えることができます。静電気でついたホコリや小さなゴミも落としやすくなるため、毛玉が大きくなる前にケアしやすくなります。
日常生活の中での何気ない動作にも、少しだけ目を向けてみましょう。
たとえば、デスクワーク中に椅子の背もたれに強く背中をこすりつけたり、机の角に袖口を何度も当てたりすると、その部分に毛玉ができやすくなります。
重ね着をするときも、アクリルの上に硬い素材のジャケットを直接合わせるより、裏地がなめらかなコートを選ぶと摩擦を抑えやすくなります。
毛玉は、大きくなってから取るよりも、小さいうちに防ぐことが大切です。
着方を少し工夫するだけで、お気に入りのアクリル衣類をきれいな状態で長く楽しめます。毎日の中でできることから、無理なく取り入れてみてください。
7. アクリルの毛玉を防ぐ洗濯方法
アクリルの毛玉は、洗濯中の摩擦によって、気づかないうちに増えてしまうことがあります。
でも、洗い方を少し工夫するだけで、毛玉の発生はぐっと防ぎやすくなります。お気に入りのニットやカーディガンを長くきれいに着るためにも、洗濯前のひと手間を大切にしてみましょう。
ここでは、家庭でできるアクリル素材の洗濯方法と、毛玉を防ぐためのコツをわかりやすくご紹介します。
7-1. 洗濯表示を確認する
まずは、衣類の裏側についている洗濯表示タグを確認しておきましょう。
洗濯機マークや手洗いマークがついている場合は、家庭で洗えることが多いです。一方で、水洗い不可のマーク、つまり桶に×印がついている場合は、無理に自宅で洗わず、クリーニング店に相談するのがおすすめです。
水洗いできない衣類を無理に洗ってしまうと、縮みや型崩れの原因になります。また、生地に負担がかかることで、毛玉ができやすくなることもあります。
洗えるかどうか、洗濯機が使えるかどうかを確認することが、毛玉を防ぐための最初の一歩です。
7-2. 裏返して洗濯ネットに入れる
家庭で洗えることが確認できたら、衣類は裏返してから洗いましょう。
毛玉は、ほかの衣類や洗濯槽とこすれやすい表面にできやすいものです。裏返して洗うことで、いちばん見せたい表側を摩擦から守りやすくなります。
裏返したあとは、きれいにたたんで洗濯ネットに入れます。このときは、衣類のサイズに合った洗濯ネットを選ぶことが大切です。
大きすぎるネットを使うと、中で衣類が動き回ってしまい、かえって摩擦が起きやすくなります。できれば、1つのネットに1着だけ入れるようにしましょう。
7-3. おしゃれ着用洗剤を使う
アクリルのようなデリケートな素材を洗うときは、おしゃれ着用洗剤を使うと安心です。
普段使っている一般的な洗濯洗剤は、汚れをしっかり落とせる反面、衣類への負担が大きくなることがあります。とくに弱アルカリ性の洗剤は洗浄力が強いため、アクリル素材には少し刺激が強く感じられることもあります。
そのため、アクリル素材を洗うときは、中性洗剤を選びましょう。おしゃれ着用洗剤の多くは中性で、繊維をやさしく洗いやすいのが特徴です。
毛羽立ちや型崩れ、色あせを防ぎたいときにも、衣類にやさしい洗剤を使うことがポイントです。
7-4. 弱水流やドライコースで洗う
洗濯機で洗う場合は、標準コースではなく、弱い水流で洗えるコースを選びましょう。
たとえば、ドライコース、手洗いコース、おうちクリーニングコースなどがおすすめです。これらのコースは衣類への負担を抑えながら、やさしく洗えるように設定されています。
標準コースの強い水流で洗うと、衣類同士がこすれやすくなり、アクリルの繊維が絡んで毛玉につながることがあります。
手洗いする場合も、強くもみ洗いするのは避けましょう。洗剤液の中で、上からそっと押して浮かせるように、やさしく押し洗いするのがコツです。
7-5. 脱水は短めにする
洗濯が終わったあとの脱水時間にも、少し気をつけておきましょう。
脱水時間が長すぎると、遠心力で衣類が洗濯槽に強く押しつけられ、生地が伸びたり、摩擦が起きたりする原因になります。
アクリル素材の場合は、脱水時間を30秒から1分ほどの短めに設定するのがおすすめです。
水滴がポタポタ落ちない程度に水分が切れていれば、十分です。強く絞らず、やさしく水気を取るようなイメージで扱いましょう。
7-6. 柔軟剤で静電気を抑える
すすぎの段階で柔軟剤を使うことも、毛玉対策に役立ちます。
柔軟剤には、繊維の表面をなめらかにして、衣類同士の摩擦を減らす働きがあります。また、静電気を抑える効果も期待できます。
静電気が起きにくくなると、ホコリや小さなゴミを吸い寄せにくくなります。そのため、結果的に毛玉の予防にもつながります。
ただし、柔軟剤は入れすぎればよいというものではありません。商品の表示を確認し、規定量を守って使いましょう。
アクリル素材の毛玉を防ぐには、特別なことをするよりも、毎回の洗濯で少しだけ丁寧に扱うことが大切です。洗濯表示を確認し、裏返してネットに入れ、やさしく洗う。
この小さな積み重ねが、お気に入りの服をきれいに長持ちさせるコツです。
8. アクリル衣類の正しい干し方と保管方法
丁寧に洗濯したあとは、干し方や保管方法にも少し気を配ってあげましょう。
せっかく毛玉を防いで洗えても、干し方を間違えてしまうと、型崩れして着にくくなってしまうことがあります。お気に入りのセーターやカーディガンが伸びてしまうと、少し悲しいですよね。
アクリルのセーターやカーディガンを干すときは、平干しがおすすめです。平干し専用のネットなどを使い、衣類を平らな状態に広げて乾かします。
平干しがよい理由は、水分を含んだアクリル衣類が重くなりやすいからです。そのままハンガーにかけて干してしまうと、水の重みで生地が下へ引っ張られ、首回りや肩、袖がだらんと伸びてしまうことがあります。
一度伸びてしまったアクリルのニットは、元に戻すのが難しくなります。きれいな形を保つためにも、できるだけ平らな状態で乾かしてあげましょう。
もし平干しネットがない場合は、物干し竿にお腹のあたりで二つ折りにして掛ける「M字干し」でも大丈夫です。お風呂場の浴槽のフチをきれいに拭いてから、衣類を広げて干す方法もあります。
また、ハンガーを2〜3本使い、袖や身頃に重さが集中しないように分散させて干すのもひとつの方法です。生地の一部分だけに負担がかからないよう、やさしく支えるイメージで干してみてください。
干す場所は、直射日光が当たるところを避け、風通しのよい日陰を選びましょう。アクリルは熱や紫外線にあまり強くないため、直射日光に当てると色あせや生地の傷みにつながることがあります。
同じ理由で、家庭用の乾燥機も避けたほうが安心です。乾燥機の熱や回転による摩擦は、縮みや毛玉の原因になりやすいです。アクリル衣類は、時間をかけて自然に乾かすようにしましょう。
保管するときにも、少しだけ注意が必要です。
クローゼットやタンスに収納する際は、ハンガーに掛けっぱなしにせず、きれいにたたんで収納します。ハンガーに長く掛けたままにすると、肩の部分が伸びたり、跡がついたりすることがあります。
また、引き出しの中に衣類をぎゅうぎゅうに詰め込みすぎないようにしましょう。詰め込みすぎると、衣類同士が強く押し合って摩擦が起きたり、シワの原因になったりします。
着用後すぐにタンスへしまわないことも大切です。一晩ほど部屋干しをして、体から出た湿気や汗をしっかり飛ばしてから収納しましょう。
こうすることで、カビや嫌なニオイを防ぎやすくなります。次に着るときも、ふんわり気持ちよく袖を通せますよ。
9. できてしまったアクリルの毛玉を取る方法
どんなに大切に着ていても、長く使っているうちにアクリルの服には毛玉ができてしまうことがあります。
でも、正しい道具を使ってていねいにお手入れすれば、見た目をすっきり整えることができます。お気に入りの服を長く楽しむためにも、生地を傷めにくい方法でやさしくケアしていきましょう。
ここでは、アクリルの服にできた毛玉を取る方法と、避けたいお手入れ方法について解説します。
9-1. 毛玉取り器を使う
手軽にきれいに仕上げたいときは、電動の毛玉取り器を使う方法がおすすめです。
使う前に、まず衣類をアイロン台やテーブルなどの平らな場所に広げます。シワが残っていると、生地まで巻き込んでしまうことがあるため、しっかり伸ばしてから始めましょう。
毛玉取り器を使うときのポイントは、生地に強く押し当てないことです。表面をなでるように、やさしく滑らせながら動かしていきます。
一気に広い範囲を取ろうとせず、円を描くように少しずつ進めると、仕上がりがきれいになります。
最近の毛玉取り器には、刃と生地の距離を調整できるガード機能がついているものも多くあります。ニットの毛足の長さに合わせて設定すると、より安心してお手入れできます。
9-2. 毛玉取りブラシを使う
衣類への負担をできるだけ抑えたい場合は、専用の毛玉取りブラシを使う方法もあります。
毛玉取りブラシは、繊維を切るのではなく、絡まった繊維をほぐしながら毛玉を取り除く道具です。そのため、生地をやさしく整えたいときに向いています。
使うときは、衣類を平らな場所に置き、片手で生地を軽く押さえます。そのうえで、ブラシを生地の編み目に沿って、一定方向にやさしく動かしましょう。
力を入れて何度もこすったり、往復させるようにブラッシングしたりすると、かえって生地が毛羽立つことがあります。
毛玉取りブラシは、毛玉を取るだけでなく、生地の毛並みを整える効果もあります。ふんわりとした風合いを残したい服にも使いやすい方法です。
9-3. ハサミで取る
毛玉が数個だけできている場合や、大きめの毛玉がところどころにある場合は、小さなハサミでカットする方法が向いています。
眉毛切り用のハサミや、手芸用の糸切りハサミなど、刃先が細かいものを使うと作業しやすくなります。
毛玉を指で軽くつまみ、生地から少し浮かせます。そのあと、生地に刃が当たらないように注意しながら、毛玉の部分だけを少しずつ切り落としましょう。
このとき、周りの糸まで切ってしまわないように、明るい場所で手元をよく確認しながら行うことが大切です。
少し手間はかかりますが、生地への負担を抑えやすい方法です。大切な服をていねいにお手入れしたいときにも向いています。
9-4. T字カミソリを使う場合の注意点
裏技として、T字カミソリで毛玉を削り取る方法が紹介されることもあります。
たしかに、広い範囲の毛玉を手早く取れる場合もあります。ただし、カミソリの刃が直接生地に当たるため、生地を傷めやすい方法です。
毛玉だけでなく、まだ傷んでいない繊維まで削ってしまうことがあります。その結果、生地が薄くなったり、傷みが目立ちやすくなったりすることもあります。
どうしても使う場合は、生地をピンと張り、刃を立てずに寝かせるようにして、なでるようにやさしく動かしましょう。
ただし、高価な服や大切にしている服にはおすすめできません。できるだけ毛玉取り器や毛玉取りブラシなど、専用の道具を使うと安心です。
9-5. やってはいけない取り方
毛玉を取るときに避けたいのが、指で無理にむしり取る方法です。
アクリルの毛玉は、周りの繊維と絡まり合ってできています。そのため、力任せに引っぱると、毛玉だけでなく周囲の繊維まで引き出してしまうことがあります。
その結果、生地がさらに毛羽立ち、また新しい毛玉ができやすくなることもあります。
また、食器洗い用スポンジの硬い面でこすって取る方法もおすすめできません。強い摩擦が加わることで、生地の広い範囲が毛羽立ってしまうことがあります。
毛玉を取るときは、「繊維を引きちぎらないこと」と「正常な生地を強くこすらないこと」を意識しましょう。
焦らず、少しずつていねいにお手入れすることで、アクリルの服をきれいな状態で長く楽しみやすくなります。
10. 毛玉ができにくいアクリル衣類の選び方
これからアクリル素材の服を選ぶときは、毛玉ができにくいものを意識して選ぶと、その後のお手入れがぐっと楽になります。
お気に入りの服をきれいな状態で長く楽しむためにも、お店やネット通販でチェックしておきたいポイントを見ていきましょう。
まず注目したいのは、編み目の密度です。
先ほども触れたように、太い糸でざっくりと編まれたローゲージニットよりも、細い糸で隙間なく編まれたハイゲージニットのほうが、毛玉ができにくい傾向があります。
編み目がしっかり詰まっていると、摩擦によって繊維が動きにくくなるため、毛玉につながりにくいのです。
店頭で服を見るときは、生地を軽く引っ張ってみるのもおすすめです。
向こう側が透けて見えるような粗い編み目のものは、摩擦によって毛玉ができやすい可能性があります。長くきれいに着たい場合は、編み目がきゅっと詰まっているものを選ぶと安心です。
次に、表面の起毛感も確認しておきましょう。
モヘア調のように、最初から表面がふわふわと毛羽立っているデザインは、見た目がとても可愛いですよね。ただ、すでに繊維が表面に出ている状態なので、少しの摩擦でも絡まりやすく、毛玉になりやすい面があります。
きれいな状態を長く保ちたいなら、表面が比較的フラットで、すっきりとした仕上がりのものを選ぶのがおすすめです。
また、用途と素材のバランスを考えることも大切です。
たとえば、リュックを背負って通学や通勤をする日常使いの服なら、摩擦に弱いアクリル100%のものは少し注意が必要です。アクリルに綿が混紡されているものや、ポリエステル・ナイロンがメインの素材を選ぶと、普段使いしやすくなります。
一方で、お出かけの日にだけ着るようなおしゃれ着であれば、アクリル100%のニットを選ぶのもよいでしょう。その場合は、着たあとにブラッシングをしたり、連続で着るのを避けたりしながら、やさしくケアしてあげるのがおすすめです。
混紡素材を選ぶときは、タグの混紡率も忘れずに確認しましょう。
アクリルとウールの混紡は、暖かくて風合いもよい一方で、どちらも毛玉ができやすい素材です。そのため、きれいに着続けるには、こまめなお手入れが必要になります。
服を選ぶときは、安さやデザインだけで決めずに、「どのくらいお手入れできそうか」「どんなシーンで着ることが多いか」を想像してみましょう。
素材や編み方を少し意識するだけでも、毛玉の悩みはぐっと減らせます。
お気に入りの一枚を長く楽しむために、購入前のひと手間を大切にしてみてください。
11. アクリルの毛玉でクリーニングに出すべきケース
アクリルの毛玉対策は、基本的には家庭でもできます。
ただし、服の状態によっては、自分で無理にお手入れするよりも、クリーニング店にお願いしたほうが安心な場合もあります。
たとえば、高価なブランドのニットや、プレゼントでもらった大切な服は、自己流で毛玉を取ろうとして穴を開けてしまうと、とても残念ですよね。
そうした大切な一着は、プロに任せるのがおすすめです。
クリーニング店によっては、専用の機械や職人さんの手作業で毛玉を取ってくれるサービスがあります。生地への負担をできるだけ抑えながら、きれいに仕上げてもらえるのが魅力です。
また、洗濯表示を見て「家庭での水洗い不可」となっている服も注意が必要です。
アクリル以外に、カシミヤやシルクなどのデリケートな素材が混ざっている場合も、家庭でのお手入れは慎重にしたいところです。無理に洗ってしまうと、毛玉だけでなく、縮みや型崩れにつながることがあります。
毛玉が多いだけでなく、首回りや袖口が伸びていたり、食べこぼしなどの落ちにくい汚れがついていたりする場合も、クリーニング店に相談してみましょう。
毛玉の処理だけでなく、衣類全体の風合いを整えて、シルエットをきれいに見せてもらえることもあります。
自分で毛玉を取る時間がないときや、広い範囲に毛玉ができていて困ってしまうときも、無理に頑張りすぎなくて大丈夫です。
クリーニングの毛玉取りサービスを上手に活用すれば、お気に入りの服を気持ちよく着続けやすくなります。
12. アクリルの毛玉に関するよくある質問
ここでは、アクリルの毛玉について、読者の方からよくいただく疑問にお答えします。
お気に入りのニットやカーディガンを長くきれいに着るためにも、ぜひ参考にしてみてください。
12-1. アクリルは毛玉ができやすいですか?
はい、アクリルは衣料品の素材の中でも、毛玉ができやすい傾向があります。
その理由は、摩擦によって表面が毛羽立ちやすいことにあります。さらに、アクリルの繊維はとても丈夫なため、一度できた毛玉が自然に落ちにくく、生地の表面に残りやすいのです。
また、静電気が起きやすいことも、毛玉が増えやすくなる原因のひとつです。
12-2. アクリル100%のニットは避けたほうがいいですか?
必ずしも避ける必要はありません。
アクリル100%のニットには、軽くて暖かい、発色がきれい、価格が手に取りやすいといった魅力があります。
ただし、毛玉ができやすい素材ではあるため、少しお手入れに気を配ってあげることが大切です。
たとえば、同じ服を連続で着ないようにしたり、洗濯ネットに入れてやさしく洗ったり、着用後に洋服ブラシで表面を整えたりすると、きれいな状態を長く保ちやすくなります。
12-3. アクリルとウールはどちらが毛玉になりやすいですか?
アクリルもウールも、どちらも毛玉ができやすい素材です。
ただし、毛玉の「残りやすさ」に違いがあります。
ウールは繊維が比較的弱いため、できた毛玉が摩擦で自然にちぎれて落ちることがあります。
一方で、アクリルは繊維が丈夫です。そのため、できた毛玉が生地にくっついたまま残りやすく、見た目にも目立ちやすいという特徴があります。
12-4. アクリルとポリエステルはどちらが毛玉になりやすいですか?
どちらも合成繊維で丈夫なため、毛玉はできやすい素材です。
その中でも、アクリルのほうが毛玉になりやすい傾向があります。
アクリルは、ウールのようなふんわり感を出すために、表面が毛羽立った状態で作られることがあります。そのため、着用中の摩擦を受けやすく、毛玉につながりやすいのです。
一方、ポリエステルは表面が比較的なめらかなものも多く、アクリルに比べると毛玉の発生がゆるやかな場合があります。
12-5. 毛玉取り器を使うと生地は傷みますか?
使い方によっては、生地を傷めてしまうことがあります。
毛玉取り器を強く押し当てたり、シワが寄った状態で使ったりすると、毛玉だけでなく必要な繊維まで削ってしまうことがあります。
その結果、生地が薄くなったり、場合によっては穴が開いてしまうこともあります。
使うときは、必ず平らな場所に置き、シワをきちんと伸ばしてから行いましょう。生地の表面をやさしくなでるように、ゆっくり滑らせるのがポイントです。
12-6. アクリルの毛玉は洗濯で取れますか?
残念ながら、一度できた毛玉は、洗濯だけできれいに取れることはほとんどありません。
むしろ、何も対策をせずに洗濯機で洗ってしまうと、洗濯槽の中でこすれて毛玉が増えたり、大きくなったりすることがあります。
できてしまった毛玉は、毛玉取り器や小さなハサミを使って、やさしく取り除いてあげるのが基本です。
生地を傷めないように、焦らず少しずつお手入れしてあげてください。
12-7. 毛玉を防ぐ一番簡単な方法は何ですか?
一番簡単で取り入れやすい方法は、洗濯機に入れる前に服を裏返し、サイズの合った洗濯ネットに入れることです。
これだけでも、洗濯中の摩擦をぐっと減らすことができます。
さらに、着用後に洋服ブラシでサッと表面を整えておくと、ホコリや小さな毛羽立ちを取り除きやすくなります。
毛玉は、できてから取るよりも、できる前に防ぐほうがずっと楽です。
まずは「裏返す」「洗濯ネットに入れる」「着た後に軽くブラッシングする」の3つから始めてみてください。
13. まとめ:アクリルの毛玉は正しいケアで減らせます
アクリル素材の衣類に毛玉ができる原因から、予防策、毛玉の取り方、服を選ぶときのポイントまでを解説してきました。
おさらいすると、アクリルは軽くて暖かい一方で、静電気が起きやすく、着用時や洗濯時の摩擦によって毛玉ができやすい素材です。
また、アクリルは合成繊維ならではの丈夫さがあるため、一度できた毛玉が自然に落ちにくいという特徴もあります。とはいえ、これは素材の性質によるものです。服そのものの品質が悪いというわけではないので、安心してくださいね。
毛玉を防ぐためには、日々のちょっとした工夫が大切です。
たとえば、リュックやバッグとの摩擦をできるだけ避けたり、同じニットを連続して着ないようにしたりするだけでも、毛玉はできにくくなります。
洗濯するときは、衣類を裏返して洗濯ネットに入れ、おしゃれ着用洗剤を使って弱い水流でやさしく洗うのがおすすめです。洗濯後は、型崩れを防ぐために平干しを意識してみましょう。
もし毛玉ができてしまっても、焦って手でむしり取る必要はありません。無理に引っ張ると、生地を傷めてしまうことがあります。
毛玉取り器や専用ブラシ、ハサミなどを使い、生地に負担をかけないように少しずつ丁寧に取り除いてあげましょう。そうすることで、お気に入りのニットやカーディガンも、またきれいな状態で楽しめます。
これからアクリル素材の服を選ぶときは、編み目が細かく詰まったハイゲージのものや、ほかの素材と組み合わせた混紡素材に注目するのもよい方法です。
アクリルは、軽くて暖かく、冬のおしゃれをやさしく彩ってくれる素敵な素材です。
毛玉ができやすいという特徴を知り、素材に合ったケアを取り入れることで、大切な一着をきれいなまま長く着ることができます。
お気に入りのアクリルニットやカーディガンと、これからも心地よく付き合っていきましょう。
