お気に入りのコートを買ったのに、数回着ただけで袖口や脇に毛玉ができてしまい、がっかりした経験はありませんか?
せっかくの素敵なデザインも、毛玉だらけになってしまうと一気に安っぽく見えてしまい、着るたびにテンションが下がってしまいますよね。
結論からお伝えします。毛玉になりにくいコートを選ぶなら、「ウール100%」や「カシミヤ100%」といった天然繊維のみで作られた素材、または「抗ピリング加工(毛玉防止加工)」が施された素材を選ぶことが最も重要です。
逆に、アクリルやポリエステルといった化学繊維が複数混ざった「混紡(こんぼう)素材」は、繊維同士が複雑に絡み合い、頑固な毛玉ができやすくなる傾向があります。
「デザインは可愛いのに、すぐに毛玉ができそう…」と購入を迷っている方に向けて、この記事では毛玉にならないコートの選び方を徹底的に解説します。
この記事を読むことで、購入前の商品タグのどこをチェックすればいいのか、どのような手触りのコートを選べば失敗しないのかが明確にわかるようになります。さらに、すでに持っているコートの毛玉を防ぎ、長持ちさせるためのお手入れ方法もマスターできます。
今年の冬こそ、毛玉に悩まされない理想のコートを手に入れて、清潔感のある美しい着こなしを楽しみましょう。
1. 結論:毛玉になりにくいコートを選ぶポイント
1-1. 毛玉になりにくい素材選びが大切
せっかくお気に入りのコートを購入するなら、できるだけ長く綺麗な状態で楽しみたいですよね。
毛玉になりにくいコートを選ぶときに、まず確認したいのが「素材」です。デザインや価格ももちろん大切ですが、コートの美しさを長く保てるかどうかは、使われている繊維の種類によって大きく変わります。
特におすすめなのは、「ウール100%」や「カシミヤ100%」など、天然繊維だけで作られたコートです。
天然繊維は、人の髪の毛のように適度な柔らかさともろさを持っています。そのため、摩擦によって毛玉ができたとしても、繊維が自然に切れやすく、目立ちにくいという特徴があります。
一方で、素材選びで少し注意したいのが「アクリル」や「ポリエステル」などの化学繊維が多く含まれているコートです。
例えば「ウール50%、アクリル30%、ポリエステル20%」のような混紡素材の場合、化学繊維の丈夫さによって、一度できた毛玉が生地に残りやすくなることがあります。
もちろん、化学繊維すべてが悪いわけではありません。最近では、毛玉ができにくいように加工された「抗ピリング加工」のコートもあります。
購入するときは、素材の割合や加工表示を確認して、自分の使い方に合った一着を選ぶことが大切です。
1-2. 購入前に確認したい3つのポイント
コートを選ぶときは、見た目の可愛さや着たときのシルエットだけでなく、長く愛用できるかどうかもチェックしてみましょう。
ここでは、購入前に確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。
① 洗濯表示タグ(品質表示タグ)を確認する
まずチェックしたいのが、コートの内側についている素材表示です。
店舗で購入する場合はタグを確認し、オンラインショップの場合は商品ページの「素材」の欄をしっかり見てみましょう。
アクリルなどの化学繊維が多く含まれている場合、特に脇下や袖口など摩擦が起きやすい部分は毛玉ができやすくなることがあります。
毎日着るコートだからこそ、素材表示を見る習慣をつけておくと安心です。
② 生地の表面を確認する
次に見ておきたいのが、生地の表面の状態です。
ふわふわとした毛足の長いシャギーコートは、柔らかく可愛い印象がありますが、表面の繊維が絡まりやすいため、摩擦によって毛玉ができやすい傾向があります。
反対に、トレンチコートや目の詰まったメルトンコートのように、表面がなめらかで繊維がしっかり詰まっているものは、比較的毛玉になりにくい素材です。
見た目の好みだけではなく、お手入れのしやすさも考えて選ぶと、より長く楽しめます。
③ 自分のライフスタイルに合うか考える
最後に大切なのが、自分の普段の生活に合っているかどうかです。
例えば、毎日リュックを使う方や、ショルダーバッグを斜め掛けする方は、肩や背中部分に摩擦が起こりやすくなります。
そのため、繊細な素材のコートを選ぶと、思ったより早く毛玉が気になってしまうこともあります。
反対に、車移動が多い方や、バッグとの摩擦が少ない生活をしている方なら、柔らかな素材のコートも楽しみやすいでしょう。
「どんな場面で着ることが多いか」を考えて選ぶことで、自分にぴったりのコートに出会いやすくなります。
お気に入りのコートを毎年気持ちよく着るためには、購入時の素材選びがとても大切です。
少しだけ意識して選ぶことで、毛玉を気にせず冬のおしゃれを楽しめる一着に出会えるはずです。
2. なぜコートには毛玉ができるのか
2-1. 毛玉が発生する仕組み
「大切に着ているはずなのに、気づいたらコートに毛玉ができていた…」
そんな経験はありませんか?
お気に入りのコートほど、できるだけきれいな状態で長く着たいものですよね。
実は、毛玉(ピリング)ができるのには、ちゃんとした理由があります。毛玉が生まれる仕組みを知ることで、これからのお手入れ方法も見えてきます。
毛玉ができるまでの流れは、大きく3つの段階に分けられます。
まず1つ目は「毛羽立ち(けばだち)」です。
コートを着て歩いたり、バッグを持ったりすると、知らないうちに生地の表面には摩擦が起こっています。
例えば、腕と胴体が擦れる脇部分や、バッグの肩紐が当たる場所などです。
この摩擦によって、きれいに整っていた糸から細かな繊維が少しずつ引き出され、生地の表面がふわふわと毛羽立った状態になります。
次に起こるのが「絡まり」です。
表面に出てきた繊維は、さらに摩擦を受けることで少しずつ絡み合っていきます。
これは、髪の毛が風や動きによって擦れ合ううちに、毛先が絡まって小さな束になるのと似ています。
そして最後の段階が「球状化(毛玉の完成)」です。
絡み合った繊維がまとまり、丸い小さな塊となって生地の表面に残ります。
これが、私たちが普段「毛玉」と呼んでいるものの正体です。
つまり毛玉とは、外からゴミが付着したものではなく、生地そのものの繊維が摩擦によって引き出され、丸くまとまったものなのです。
そのため、毛玉を見つけた時に無理やり引っ張って取るのは注意が必要です。
実はその行為は、コートの大切な繊維まで一緒に傷めてしまう可能性があります。
毛玉ができる理由を知ることは、コートを長くきれいに着続けるための第一歩なのです。
2-2. 摩擦が毛玉につながる理由
毛玉を生み出す大きな原因のひとつが「摩擦」です。
もちろん、毎日の生活の中で摩擦を完全になくすことはできません。
でも、どんな場面で摩擦が起こりやすいのかを知っておけば、少し意識してコートへの負担を減らすことができます。
特に毛玉ができやすい場所は、次のような部分です。
・脇の下 歩くたびに腕と胴体が擦れやすいため
・袖口 デスクワーク中に机に触れたり、ポケットに手を入れたりすることで摩擦が起こるため
・肩や背中 リュックやショルダーバッグの紐が繰り返し当たるため
・腰回り 車のシートや電車の座席との接触で擦れやすいため
また、毛玉を悪化させる原因は摩擦だけではありません。
冬に気になる「静電気」も、大きく関係しています。
空気が乾燥する季節は静電気が発生しやすく、パチッとするあの現象と同じように、衣類の繊維にも影響を与えます。
静電気によって繊維同士が引き寄せられると、絡まりやすくなり、毛玉ができるスピードも早まってしまいます。
特に、ウール(天然繊維)のニットの上に、ポリエステル(化学繊維)の裏地がついたコートを重ねるなど、異なる性質の素材を組み合わせると静電気が起こりやすくなります。
摩擦によって繊維が少しずつ引き出され、静電気によって繊維同士がまとまりやすくなる。
冬の乾燥した環境では、この2つの条件が重なることで、気づかないうちにコートへ毛玉が増えてしまうのです。
だからこそ、毛玉を防ぐためには「できてから対処する」のではなく、「できる原因を知って、日頃から負担を減らすこと」が大切です。
3. 毛玉になりにくいコート素材
コートを選ぶとき、「暖かさ」や「デザイン」だけではなく、できるだけ長く綺麗な状態で着られるかも気になりますよね。
特に冬の大きな悩みのひとつが「毛玉」です。
お気に入りで購入したコートなのに、何度か着ただけで袖や脇の部分に毛玉が目立ってしまうと、少し残念な気持ちになってしまいます。
そこでここからは、毛玉になりにくい代表的なコート素材について、それぞれの特徴を分かりやすくご紹介します。
3-1. ウール
ウール(羊毛)は、秋冬コートの定番ともいえる素材です。
実は、選び方さえ間違えなければ、ウールは毛玉ができにくく、できたとしても目立ちにくい優秀な素材なんです。
ウールの大きな特徴は、天然素材ならではの「ほどよい繊維の柔らかさ」にあります。
「繊維が弱いなら、毛玉にも弱いのでは?」と思うかもしれません。
しかし、毛玉対策という面では、この性質がメリットになります。
ウール100%のコートは、着用時の摩擦によって表面に毛羽立ちができることがあります。ただ、ウールの繊維は人間の髪の毛のように、ある程度の負荷がかかると自然に切れやすい性質を持っています。
そのため、できた毛玉が摩擦や日常の動きによって自然に取れやすいのです。
このような性質を「自己脱落性」と呼びます。
つまりウールのコートは、「毛玉ができない」というよりも、「できた毛玉が残り続けにくい」素材といえます。
そのため、長く愛用していても比較的綺麗な見た目を保ちやすいのが魅力です。
ただし、ウールなら何でも毛玉になりにくいというわけではありません。
ポイントになるのが、「梳毛(そもう)」と「紡毛(ぼうもう)」という糸の種類です。
梳毛は、繊維を長く整えてからなめらかに撚った糸です。
表面がツルッとしていて上品な光沢があり、スーツ生地などにもよく使われています。毛羽立ちが少ないため、毛玉もできにくいタイプです。
一方、紡毛は短い繊維を使い、空気を含ませながら作られた糸です。
ツイードやフランネルのような、ふんわり暖かみのある生地に使われています。
柔らかな風合いが魅力ですが、その分、表面が少し毛羽立ちやすく、ウール100%でも最初のうちは毛玉ができることがあります。
ウールコートを選ぶときは、「ウール100%だから安心」と考えるだけではなく、生地の質感まで確認すると失敗しにくくなります。
3-2. カシミヤ
カシミヤは「繊維の宝石」とも呼ばれる、高級感のある素材です。
肌触りの良さだけではなく、毛玉の目立ちにくさという点でも優れています。
カシミヤは、カシミヤヤギの産毛から作られる天然繊維です。
ウールよりも繊維が細く、長く、そしてしなやかなため、摩擦を受けても繊維の先端が表面に出にくい特徴があります。
そのため、毛羽立ちが起こりにくく、美しい風合いを保ちやすいのです。
また、カシミヤには天然の油脂分が含まれており、繊維同士の滑りを良くする働きがあります。
繊維が絡まりにくいため、毛玉の発生も抑えられます。
万が一毛玉ができた場合でも、天然繊維ならではの性質によって、自然に落ちやすいのも魅力です。
ただし、カシミヤはとても繊細な素材でもあります。
毛玉になりにくいからといって、どんな使い方をしても大丈夫というわけではありません。
例えば、毎日のようにリュックを背負って同じ場所に強い摩擦がかかると、生地そのものが傷んでしまう可能性があります。
カシミヤのコートは、特別なお出かけの日や、大切に長く楽しみたい場面で着用するのがおすすめです。
3-3. ポリエステル
ポリエステルは、現在の衣料品では欠かせない代表的な化学繊維です。
丈夫でシワになりにくく、お手入れもしやすいため、多くのコートに使われています。
ただ、毛玉のなりにくさという点では注意が必要です。
ポリエステルは非常に強度の高い繊維で、引っ張っても簡単には切れません。
そのため、摩擦によって毛羽立ち、毛玉ができてしまうと、そのまま表面に残りやすいという特徴があります。
ウールのように自然に切れて落ちることが少なく、丈夫な繊維が絡まった状態で残ってしまうのです。
特に気をつけたいのが、ウールとポリエステルの混紡素材です。
「ウール70%、ポリエステル30%」のようなコートは、価格や扱いやすさの面では魅力があります。
しかし、ウールの毛羽立ちやすさと、ポリエステルの丈夫で切れにくい性質が組み合わさることで、毛玉が残りやすくなる場合があります。
ポリエステル素材のコートを選ぶ場合は、「抗ピリング加工(毛玉ができにくくする加工)」が施されているか確認すると安心です。
3-4. ナイロン
ナイロンもポリエステルと同じく、丈夫な化学繊維です。
スポーツウェアやアウトドア用品、ダウンジャケットの表面などにもよく使われています。
ナイロン100%で作られた、表面がツルッとしたコートの場合は、摩擦が起きても繊維同士が絡まりにくいため、毛玉はできにくい素材です。
トレンチコートやモッズコート、ダウンジャケットなどでは、その特徴が活かされています。
ただし、ウール風の起毛コートにナイロンが混ざっている場合は少し注意が必要です。
ナイロンは非常に丈夫なため、ウールなどの繊維と絡み合うと、毛玉が残る原因になることがあります。
ナイロン混のコートは型崩れしにくく丈夫というメリットがありますが、毛玉ができた場合は丁寧なお手入れが必要になります。
3-5. アクリル
秋冬のコートやニットで、毛玉に悩みやすい素材のひとつがアクリルです。
アクリルは、ウールに似た柔らかな風合いを人工的に再現した化学繊維です。
軽くて暖かく、色も綺麗に出やすいため、手頃な価格のコートやニットによく使われています。
しかし、そのふんわりとした特徴が、毛玉につながることがあります。
アクリルは繊維同士が絡まりやすく、さらに静電気も起こりやすい素材です。
冬の乾燥した時期に着用すると、静電気によって細かな繊維が引き寄せられ、毛玉ができやすくなります。
また、アクリルは化学繊維なので、一度できた毛玉が自然に落ちにくいという特徴もあります。
そのため、数回着用しただけで袖の内側や脇部分に毛玉が目立つこともあります。
「できるだけ毛玉にならないコートを選びたい」と考えている場合は、商品タグを確認し、アクリルの割合が高いものは慎重に選ぶことをおすすめします。
4. 毛玉になりにくいコートの選び方
お気に入りのコートを買ったのに、数回着ただけで毛玉が目立ってしまう……。
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
毛玉を防ぐためには、購入するときの「選び方」がとても大切です。
ここでは、長くきれいな状態で着られるコートを選ぶために、チェックしたいポイントをご紹介します。
4-1. 素材表示を確認する
まず確認したいのが、コートについている「素材表示タグ」です。
お店で購入する場合は、試着する前にコートの内側をそっと確認してみましょう。
オンラインショップで選ぶ場合は、商品ページの「素材」や「混率」という項目を見るのがおすすめです。
初心者の方でも失敗しにくい目安は、以下の通りです。
【毛玉になりにくいおすすめ素材】
・ウール100% ・カシミヤ100% ・ウール90%、カシミヤ10%など天然素材中心の組み合わせ ・綿100%(秋冬用としては少し寒さを感じる場合がありますが、毛玉はできにくい素材です) ・「抗ピリング加工」と記載されたポリエステル素材
【少し注意したい素材】
・アクリル50%、ポリエステル50% ・ウール50%、アクリル30%、ナイロン20% ・ポリエステル70%、レーヨン30%
特にアクリルは、ふんわりした見た目を作りやすい一方で、摩擦によって毛玉ができやすい素材です。
できるだけウールやカシミヤなどの天然繊維に近いものを選ぶと、毛玉のリスクを抑えやすくなります。
もし価格とのバランスで化学繊維入りのコートを選ぶ場合は、アクリルが含まれていないものや、化学繊維の割合が少ないものを選ぶと安心です。
少し素材表示を見るだけで、数年後のコートの美しさは大きく変わります。
4-2. 繊維の特徴を見る
素材表示を確認したら、次は実際にコートを手に取って、生地の表情や触り心地を見てみましょう。
同じ「ウール100%」でも、糸の作り方によって毛玉のできやすさは変わります。
ポイントになるのは、「糸の太さ」と「表面の毛羽立ち」です。
毛玉になりにくいのは、細くて長い繊維をしっかり撚り合わせた「細番手(ほそばんて)」の糸を使ったコートです。
表面に自然なツヤがあり、触ったときにサラッとなめらかなものは、摩擦が起こっても繊維同士が絡みにくいため、きれいな状態を保ちやすくなります。
反対に、太く短い繊維をゆったり編んだコートや、最初から表面がふわふわしているモヘアコート・シャギーコートなどは注意が必要です。
見た目はとても可愛らしいのですが、表面に出ている繊維同士が絡まりやすく、少しの摩擦でも毛玉につながりやすくなります。
ふんわりしたデザインは冬らしい魅力がありますよね。
ただ、「できるだけ毛玉を避けて長く着たい」という場合は、表面がフラットで滑らかな質感のコートを選ぶのがおすすめです。
4-3. 表面状態をチェックする
最後に確認したいのが、生地の「目の詰まり具合」です。
毛玉ができにくいコートを選ぶなら、表面がしっかり詰まった生地がおすすめです。
その代表ともいえるのが「メルトン」という生地です。
Pコートやダッフルコートなどによく使われる厚手の素材で、ウールを織ったあとに熱や水分を加え、繊維同士を絡ませながら密度を高めて作られています。
繊維がぎゅっと詰まっているため、摩擦が起きても繊維が飛び出しにくく、毛玉になりにくい丈夫な生地です。
一方で、ざっくり編まれたローゲージのニットコートや、生地を光に透かしたときに隙間が見えるような目の粗いコートは注意しましょう。
繊維が動きやすいため、摩擦によって形が崩れたり、毛羽立ちや毛玉が発生しやすくなります。
お店で選ぶときは、生地を指で軽くつまんでみてください。
中身がしっかり詰まっていて、少しハリや硬さを感じるものほど、摩擦に強く長く愛用しやすいコートです。
毎年着たくなるお気に入りの一着に出会うためにも、デザインだけではなく「素材」や「生地の状態」にもぜひ注目してみてくださいね。
5. 毛玉を防いでコートを長く美しく楽しむ方法
どんなに毛玉ができにくい上質なウール100%のコートを選んでも、毎日の扱い方によって少しずつ風合いは変化していきます。
お気に入りのコートを、購入したときのような美しい状態で長く楽しむためには、日々のお手入れがとても大切です。
ここでは、プロも取り入れている簡単で効果的なお手入れ方法をご紹介します。
5-1. ブラッシング
毛玉を防ぐために、ぜひ取り入れてほしい習慣が「洋服ブラシでのお手入れ」です。
コートを長く大切に着たい方にとって、洋服ブラシは心強い味方になってくれます。
毛玉ができる原因は「繊維同士の絡まり」です。
つまり、絡まりが大きくなる前の段階でブラシを使い、毛並みを整えてあげることで、毛玉の発生を防ぎやすくなります。
【洋服ブラシの選び方】
洋服ブラシには主に「豚毛」と「馬毛」があります。
コートのお手入れには、適度なコシと柔らかさを持つ「馬毛(うまげ)」のブラシがおすすめです。
豚毛は比較的硬さがあるため、デリケートなカシミヤなどのお手入れでは、生地を傷めてしまう可能性があります。
その点、馬毛のブラシならウールからカシミヤまで幅広い素材に使いやすく、毎日のお手入れにも安心して取り入れられます。
【正しいブラッシングの手順】
- コートを肩幅に合った厚みのあるハンガーに掛けます。
- まずは下から上(裾から襟元)へ向かって、毛並みに逆らうように優しくブラシをかけます。 生地の奥に入り込んだホコリやチリを取り除き、絡まりかけた繊維を整えやすくします。
- 次に、上から下(襟元から裾)へ向かって、表面をなでるようにブラシを動かします。 浮き上がったホコリを落としながら、繊維の流れを美しく整えることができます。
力を入れてゴシゴシ擦る必要はありません。
手首を軽く動かしながら、表面を優しくなでるようなイメージで十分です。
毎日の小さなお手入れが、コートの美しさを保つ大きな違いにつながります。
5-2. 着用後のお手入れ
ブラッシングだけでなく、普段の着方を少し意識することも毛玉防止につながります。
特に大切なのは、「コートをしっかり休ませること」です。
同じコートを毎日続けて着ると、生地には目に見えない摩擦ダメージが少しずつ蓄積されます。
さらに、着用中に吸収した湿気によって繊維が柔らかくなり、絡まりやすい状態になることもあります。
理想的なお手入れペースは、「1日着たら2日休ませる」ことです。
風通しの良い日陰で休ませることで、コートにこもった湿気が抜け、繊維本来の弾力を取り戻しやすくなります。
また、摩擦によって乱れた毛並みも自然に落ち着き、毛玉ができにくい状態を保つことにつながります。
最低でも2着、できれば3着ほどのコートを上手に着回すことで、一着あたりの負担を減らし、結果的にそれぞれの寿命を長くすることができます。
5-3. 保管方法
冬が終わり、次のシーズンまでコートを保管するときの方法も、美しい状態を保つためには欠かせません。
まず、長期間しまう前にはクリーニングに出し、目に見えない皮脂汚れや排気ガスなどの汚れを落としておきましょう。
汚れが残ったまま保管すると、虫食いの原因になるだけでなく、繊維の劣化にもつながり、翌シーズンに毛玉ができやすくなる可能性があります。
クリーニングから戻ってきたら、ビニールカバーは外して保管してください。
ビニールをかけたままにすると湿気がこもりやすく、カビの原因になることがあります。
ホコリから守りたい場合は、通気性の良い「不織布(ふしょくふ)のカバー」に掛け替えるのがおすすめです。
そして、コートを掛けるハンガー選びも大切なポイントです。
クリーニング店でもらう細いプラスチック製や針金のハンガーは、コートの重みによって肩部分の形が崩れてしまうことがあります。
型崩れしたコートは着用時のフィット感が変わり、不要な摩擦を生む原因にもなります。
肩部分に3〜5cm程度の厚みがある、しっかりとしたコート用ハンガーを選びましょう。
木製や厚みのあるプラスチック製のものがおすすめです。
最後に、クローゼットの湿気対策も忘れずに行いましょう。
除湿剤や防虫剤を活用し、定期的に扉を開けて空気を入れ替えることで、コートの繊維を良い状態に保つことができます。
丁寧なお手入れを重ねるほど、コートは少しずつあなたに馴染み、長く愛せる一着へと育っていきます。
6. 毛玉にならないコート選びでよくある質問
お気に入りのコートを長くきれいに着るためには、毛玉対策も大切なポイントです。
ここでは、毛玉とコートに関して多くの方が気になる疑問をQ&A形式で分かりやすく解説していきます。
Q1. 毛玉取り機は使っても大丈夫ですか?
A1. 使う場合は、最終手段として慎重に取り入れるのがおすすめです。
毛玉取り機は便利なアイテムですが、実は生地の表面の繊維を刃で少しずつ削り取っています。
そのため、何度も使い続けるとコートの生地が薄くなり、保温性が落ちたり、場合によっては生地を傷めてしまうことがあります。
もし毛玉ができてしまった場合は、小さなハサミ(眉毛用など先の細いもの)で、生地を傷つけないように毛玉の根元だけを丁寧にカットする方法がおすすめです。
少し手間はかかりますが、大切なコートを守るには一番安心できる方法です。
なお、毛玉を手で引っ張って取るのは、生地の繊維まで傷める原因になるため避けましょう。
Q2. クリーニングに出せば毛玉は予防できますか?
A2. クリーニングだけで毛玉を完全に防ぐことはできません。
クリーニングは汚れを落とし、コートを清潔に保つためのものです。
ただし、クリーニング工程では衣類同士が触れ合うため、わずかな摩擦によって毛玉ができやすくなる場合もあります。
もちろん、丁寧なクリーニング店ではネットを使用するなど、生地への負担を減らす工夫をしてくれます。
毛玉を防ぐためには、普段からブラッシングをしたり、着用後にコートを休ませたりする習慣が大切です。
また、お店によっては「抗ピリング加工(毛玉をできにくくする加工)」のオプションを用意している場合もあります。
特に大切に着たいお気に入りの一着なら、こうしたサービスを利用するのも良い方法ですね。
Q3. 静電気防止スプレーは毛玉対策に効果がありますか?
A3. 毛玉予防のひとつとして、取り入れる価値があります。
冬になると気になる静電気ですが、実は毛玉ができる原因のひとつでもあります。
静電気によって繊維同士が引き寄せられると、絡まりやすくなり、毛玉につながることがあります。
コートを着る前に、裏地や摩擦が起きやすい脇部分、合わせるニットなどに静電気防止スプレーを使うことで、静電気の発生を抑えることができます。
乾燥しやすい冬の季節には、ぜひ取り入れたい簡単なお手入れ方法です。
Q4. 高いコートなら毛玉になりませんか?
A4. 価格の高さと毛玉のできにくさは、必ずしも比例するわけではありません。
「高いコートなら安心」と思ってしまいがちですが、実は素材によって毛玉のできやすさは変わります。
例えば、高級なカシミヤでも繊維が細く柔らかいものは、摩擦によって毛羽立ちやすく、毛玉ができることがあります。
一方で、価格が手頃なコートでも、繊維がしっかり詰まった素材や抗ピリング加工が施された生地であれば、きれいな状態を長く保てる場合があります。
コートを選ぶときは、価格だけで判断せず、素材表示タグや生地の特徴を確認することが大切です。
Q5. 洗濯機で洗えるコートは毛玉になりやすいですか?
A5. 洗い方によっては、生地に負担がかかる場合があります。
最近では「ウォッシャブル」と表示されたコートも増えています。
自宅でお手入れできるのは嬉しいポイントですが、洗濯機の中で衣類が動くことによる摩擦は、生地にとって大きな負担になることがあります。
もし洗濯機で洗う場合は、コートを裏返しにして、サイズに合った目の細かい洗濯ネットへ入れましょう。
そして、手洗いコースやドライコースなど、できるだけ優しい水流で洗うことがおすすめです。
他の衣類と一緒に洗うと摩擦が増えてしまうため、できればコートだけで洗うと安心です。
少しの工夫を重ねるだけで、お気に入りのコートをより長く楽しむことができます。
7. まとめ
ここまで、毛玉になりにくいコートの選び方や、きれいな状態で長く楽しむためのお手入れ方法についてご紹介してきました。
最後に、今回のポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- 毛玉になりにくいコートを選ぶなら、「ウール100%」や「カシミヤ100%」などの天然繊維、または「抗ピリング加工」が施された素材がおすすめです。
- アクリルの割合が高い素材や、ポリエステルとウールを混ぜた素材は、毛玉ができやすい場合があります。購入する際は、素材表示をしっかり確認してみましょう。
- コートを選ぶときは、タグを見るだけでなく、生地の目がしっかり詰まっているか(メルトン生地など)、表面がなめらかで触り心地が良いかもチェックしてみてください。
- 毛玉を防ぐためには、着用後の馬毛ブラシでのお手入れと、「1日着たら2日休ませる」ようなローテーションが大切です。
コートは冬のおしゃれを楽しむうえで、毎日の印象を彩ってくれる大切なアイテムです。
お気に入りのコートでも、毛玉が目立ってしまうと少し残念な気持ちになりますよね。どれだけ素敵なデザインでも、清潔感が失われてしまうことがあります。
だからこそ、購入時の「素材選び」と、日々のちょっとしたお手入れが大切です。
今回ご紹介したポイントを意識すれば、数年先も美しい状態で楽しめる、あなたにぴったりの一着に出会いやすくなります。
次にコートを選ぶときは、デザインや色だけではなく、ぜひ商品タグの「素材」にも注目してみてください。
長く寄り添ってくれるお気に入りのコートと一緒に、冬のおしゃれをもっと楽しんでくださいね。

