新品の服を買って袋から出した瞬間、石油のような臭いや酸っぱい臭いがして驚いた経験はありませんか?せっかくお気に入りの服を見つけたのに、そのままではとても着られず困ってしまいますよね。
新品の服が臭いと感じた場合、まずは焦って自己流で洗うのではなく、「風通しの良い場所で陰干しをする」こと、そして「服の洗濯表示タグを確認する」ことから始めてください。水洗いできる服とできない服では、正しい対処法が大きく異なります。臭いが強いからといって、いきなり強力な洗剤を使ったりお湯で洗ったりすると、服が縮んだり色落ちしたりして台無しになる恐れがあります。
この記事では、新品の服が臭い場合の原因から、洗わずに臭いを消す簡単な方法、通常通りの洗濯で落ちない場合の正しい洗い方、重曹や酸素系漂白剤の安全な使い方まで、詳しく解説します。素材別の注意点や、どうしても臭いが取れないときのクリーニングや返品の判断基準についてもまとめています。
1. 新品の服が臭いときはどうする?まず試したい対処法
新品の服から気になる臭いがすると、「すぐに洗ってしまいたい」と思うこともありますよね。
ただ、衣類の素材や染料によっては、いきなり水洗いすると色落ちしたり、縮んだりすることがあります。大切な服を傷めないためにも、まずは衣類への負担が少ない方法から試してみるのがおすすめです。
ここでは、新品の服の臭いが気になったときに試したい3つのステップを、順番にご紹介します。
1-1. STEP1:パッケージから出して風通しの良い場所で陰干しする
まず試してみたいのが「陰干し」です。
新品の服は、工場で作られてから店舗や自宅に届くまで、ビニール袋やダンボールの中に入った状態で保管されていることがあります。
そのため、製造時に付着した染料や加工剤の臭い、輸送時に使われた防虫剤などの臭いが、服にこもっていることがあります。
まずは服をパッケージから完全に取り出し、ハンガーに掛けて、風通しの良い日陰に干してみましょう。
室内で干す場合は、窓を開けて風の通り道を作ったり、扇風機やサーキュレーターでやさしく風を当てたりすると、空気が循環しやすくなります。
ただし、直射日光には少し注意が必要です。紫外線によって生地が傷んだり、色褪せにつながったりすることがあるため、日の当たらない場所を選ぶと安心です。
軽い臭いであれば、数日から1週間ほど陰干しするだけで、気になりにくくなることもあります。
1-2. STEP2:衣類の「洗濯表示タグ」を必ず確認する
陰干しをしても臭いが気になる場合は、次に洗濯や消臭ケアを考えてみましょう。
ただ、その前に確認しておきたいのが、服の内側についている「洗濯表示タグ」です。
洗濯表示には、その服が家庭で水洗いできるのか、手洗いが必要なのか、漂白剤が使えるのか、アイロンはどの温度まで対応しているのかなど、お手入れするときに大切な情報が記載されています。
たとえば、桶に水が入っているマークにバツ印がついている場合は、「家庭での水洗いができない」という意味です。
この表示がある服を無理に水洗いすると、縮みや型崩れ、風合いの変化につながることがあります。
お気に入りの服を長くきれいに着るためにも、まずは洗濯表示を確認してから、その服に合ったお手入れ方法を選ぶと安心です。
1-3. STEP3:洗える服と洗えない服で次のアプローチを変える
洗濯表示を確認できたら、次は「洗える服」と「洗えない服」に分けて対処していきましょう。
水洗いができる服であれば、まずは普段通りの洗濯を試してみます。洗濯機が使えるのか、手洗いが必要なのかは、洗濯表示に合わせてくださいね。
それでも臭いが残る場合は、後ほどご紹介するつけ置き洗いや、酸素系漂白剤を使ったお手入れを検討してみましょう。
一方、水洗いができないデリケートな素材の場合は、家庭で無理に洗わないほうが安心です。
ウールやシルク、一部のレーヨンやアウター類などは、水洗いによって縮んだり型崩れしたりすることがあります。
そのような服には、スチームアイロンの蒸気を利用した消臭や、衣類用消臭スプレーなど、「洗わずに臭いをやわらげる方法」を試してみるのもひとつです。
それでも強い臭いが残ってしまう場合は、無理に自宅で対処しようとせず、クリーニング店に相談したり、購入したお店に問い合わせたりする方法もあります。
服の素材に合った方法を選びながら、少しずつケアしていきましょう。
2. 新品の服が臭い原因は?
新品の服なのに、袋を開けた瞬間「なんだか石油っぽい臭いがする」「少し酸っぱいかも……」と気になったことはありませんか?
実は、新品の服からする独特な臭いは、誰かが着たことで付いたものとは限りません。服が作られてから私たちの手元に届くまでの、さまざまな工程で付いていることが多いんです。
ただ、臭いの感じ方には個人差があります。そのため、臭いだけで「この物質が原因」と特定するのは難しいものです。
ここでは、新品の服が臭うときに考えられる主な原因を、いくつかのケースに分けて見ていきましょう。
2-1. 染料や加工に由来する臭い
新品の服の臭いでよく考えられるのが、生地を染めるときに使われる「染料」や、色止め・防縮・防シワなどのために使われる「加工剤」です。
特にデニム製品や、黒・ネイビーなどの濃い色に染められた衣類は、染料や定着剤が多く使われることがあります。そのため、染料特有の酸っぱいような臭いや、薬品のような臭いが残っていることもあります。
また、化学繊維を使った服や、大きなプリントが入ったTシャツなどでは、塗料や接着剤などの臭いを感じるケースもあります。
製造過程でしっかり洗浄・乾燥されていれば気になりにくいものの、製造工程や梱包のタイミングによっては、臭いが生地に残ったまま出荷されることも考えられます。
2-2. 製造工程で使われる油類などに由来する臭い
新品の服から「石油のような臭い」「機械油のような臭い」がすると、少し心配になってしまいますよね。
こうした臭いがする場合は、生地を織ったり縫製したりするときに使われる機械の油や、ミシン油などが微量に付着している可能性があります。
また、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は石油を原料として作られているため、素材や加工の状態によっては石油系の臭いを感じる場合もあります。
とはいえ、「石油のように臭うから、原因は必ずミシン油」とは限りません。
染料や加工剤など、いくつかの臭いが混ざることで、石油のような臭いに感じられることもあります。臭いだけで原因となる物質を特定するのは難しいため、まずは「製造や加工の途中で付いた臭いかもしれない」と考えておくとよいでしょう。
2-3. 保管・包装・輸送中に付いた臭い
実は、服そのものではなく、梱包材や保管されていた環境から臭いが移っていることもあります。
たとえば、海外から船便などで輸送される衣類は、長い時間コンテナや倉庫の中で保管されることがあります。その環境や保管方法によっては、防カビ・防虫のために使われる薬剤などの臭いが衣類に移る場合があります。
さらに、商品を包んでいるビニール袋のプラスチック臭や、ダンボール、倉庫内の独特な臭いが服に移っているケースもあります。
とくに密閉された状態が長く続くと、こうした臭いを服が吸い込んでしまうことも。
このような場合は、服をパッケージから出して風通しのよい場所で空気に触れさせるだけでも、臭いがやわらいでいくことがあります。
2-4. カビ臭など、新品特有の臭いとは分けて考えたいケース
一方で、少し注意しておきたい臭いもあります。
新品の服から「カビ臭い」「土っぽい臭いがする」「湿ったような臭いがする」と感じる場合は、通常の新品特有の臭いとは原因が違う可能性があります。
保管中に湿気の影響を受け、実際にカビが発生していることも考えられるためです。
見た目ではカビの斑点が確認できなくても、繊維の奥にカビが付着している可能性もあります。その状態でほかの衣類と一緒に洗うのは、できれば避けたほうが安心です。
通常の新品らしい臭いとは少し違うと感じたり、風通しのよい場所に置いても臭いがなかなか取れなかったりする場合は、無理に自分で洗わず、購入した店舗へ相談してみることをおすすめします。
3. 新品の服の臭いを洗わずに消す方法
「今日すぐに着たい」「洗濯表示を見ると水洗いできない」「新品だから、できればまだ洗いたくない」
そんなときは、水を使わずに臭いをやわらげる方法を試してみましょう。
ただし、臭いの強さや原因によっては、一度のお手入れですっきり消えないこともあります。お気に入りの服を傷めないためにも、まずは衣類への負担が少ない方法から試してみるのがおすすめです。
3-1. 風通しのよい場所で陰干しする
まず試しやすいのが、前述した「陰干し」です。
服をハンガーに掛けて、風通しのよい日陰に干しておくだけでも、繊維の間にこもった臭いが少しずつ外へ逃げていきます。特別な道具を使わないので、衣類への負担を抑えながら試しやすい方法です。
もう少し早く臭いをやわらげたいときは、服を裏返して干してみるのもよいでしょう。扇風機やサーキュレーターの風を当てて、服のまわりの空気を動かす方法もあります。
臭いの程度によっては数時間で変化を感じることもありますが、数日ほどかかる場合もあります。焦らず、様子を見ながら続けてみてください。
なお、直射日光に当てると、色あせや生地の傷みにつながることがあります。日当たりのよい場所ではなく、風通しのよい日陰を選ぶと安心です。
水洗いしにくいコートやジャケットなどにも取り入れやすい、基本的なお手入れ方法です。
3-2. 湿気や蒸気を利用する(浴室干し)
陰干しだけでは臭いが気になるときは、浴室の蒸気を利用する方法もあります。
入浴後の浴室には、湯気と湿気がたっぷり残っています。その浴室に臭いが気になる服をハンガーで吊るし、一晩置いておきます。
翌朝になったら、服を風通しのよい日陰へ移し、しっかり乾かしましょう。衣類に含まれた水分が乾いていくのと一緒に、臭いも外へ逃げやすくなります。
ただし、すべての素材に向いているわけではありません。
シルクやレーヨンなど、水分によって縮んだりシミになったりしやすいデリケートな素材では、避けたほうが安心です。
また、湿ったまま放置すると、生乾きのような臭いやカビの原因になることもあります。浴室から出したあとは、風通しのよい場所で十分に乾かしてください。
3-3. スチームアイロンや衣類スチーマーを活用する
「できるだけ短時間で臭いをやわらげたい」というときは、スチームアイロンや衣類スチーマーを使う方法もあります。
蒸気を生地に当てることで、熱と水分を利用しながら、こもった臭いを外へ逃がしやすくします。
服をハンガーに掛けたら、アイロンを生地に押しつけず、1〜2cmほど離した状態でスチームを当てます。その後は、風通しのよい場所に掛けて、衣類に残った水分をしっかり乾かしましょう。
ここで気をつけたいのが、衣類の素材です。
スチームを使う前には、必ず洗濯表示タグにある「アイロン仕上げ」のマークを確認し、表示されている温度を守るようにしてください。
ポリエステルなど熱に弱い化学繊維は、高温の蒸気によって生地がテカったり、傷んだりすることがあります。心配な場合は無理をせず、目立たない部分から試してみると安心です。
3-4. 衣類用消臭スプレーを利用する
できるだけ手軽にお手入れしたいときは、市販の衣類用消臭スプレーを使う方法もあります。
吹きかけるだけで使えるので、「出かける前に少しでも臭いをやわらげたい」というときにも取り入れやすいでしょう。
選ぶときは、香りの強いものよりも「無香料」のタイプがおすすめです。
香り付きのスプレーを使うと、新品の服特有の臭いとスプレーの香りが混ざり、かえって臭いが気になってしまうことがあります。
また、素材によってはスプレーの水分がシミになる場合もあります。ウールやシルク、レーヨン、皮革などに使うときは、とくに注意が必要です。
いきなり服全体に吹きかけるのではなく、まずは裾の裏など目立たない部分で試してみてください。変色やシミが起きないことを確認してから使うと、より安心です。
4. 洗える新品の服なら一度洗濯する
洗わずにできる方法を試しても臭いが気になる場合や、すぐに着る予定がなく衛生面も気になる場合は、着用前に一度水洗いしてみるのもひとつの方法です。
「新品の服は、できれば洗わずにそのまま着たい」という方もいるかもしれません。ただ、水洗いをすることで、余分な染料や加工剤、表面についたホコリなどを洗い流せるため、臭いが気になるときの対策として役立ちます。
4-1. 洗濯前に必ず「洗濯表示」と「色落ち」を確認する
洗濯機に入れる前に、まず確認しておきたいのが「洗濯表示」です。
桶のマークがあれば、家庭で水洗いできる衣類です。数字が書かれている場合は、洗濯するときの液温の上限を表しています。たとえば「40」と書かれていれば、40度までの水温で洗えるという意味です。
あわせて確認しておきたいのが「色落ち」です。
特に濃い色の服やデニム、海外製の衣類などは、最初の洗濯で染料が出やすいことがあります。
心配な場合は、白い布や綿棒に少量の液体洗剤をつけ、服の裏側にある縫い目など、目立ちにくい場所をトントンと軽く叩いてみてください。
白い布や綿棒に色が移るようであれば、洗濯したときにも色落ちする可能性があります。
4-2. 単独洗いで色移りや臭い移りを防ぐ
新品の服を初めて洗うときは、できれば他の衣類とは分けて洗うと安心です。特に、臭いが強く感じられる服は単独で洗うことをおすすめします。
タオルや下着などと一緒に洗うと、新品の服から出た染料がほかの衣類に移ったり、臭いが洗濯物に残ったりすることがあります。
初めての洗濯では、少し手間に感じても「その服だけ」、もしくは「同じような濃い色の新品の服だけ」に分けて洗ってみてください。
こうして分けておくだけでも、大切な衣類への色移りや臭い移りを防ぎやすくなります。
4-3. 裏返しや洗濯ネットを使って生地を保護する
新品の服をできるだけきれいな状態で長く着たいなら、「裏返して洗う」「洗濯ネットに入れる」といったひと工夫もおすすめです。
服を裏返しておくと、表面の生地が洗濯槽の中でこすれにくくなり、毛羽立ちやプリントの傷みを抑えやすくなります。
また、服の内側は肌に直接触れる部分です。新品の場合でも、縫い代など臭いがこもりやすい場所があるため、裏返すことで内側にも水流が当たりやすくなります。
さらに、衣類のサイズに合った洗濯ネットを使えば、型崩れや洗濯槽との摩擦も抑えやすくなります。
ちょっとしたひと手間ですが、お気に入りの服を長く楽しみたいときには取り入れてみてください。
4-4. 通常の洗濯で臭いが弱くなる可能性
水洗いできる素材であれば、普段使っている中性洗剤や弱アルカリ性洗剤を使い、一度洗濯してみましょう。
基本的には標準コースで問題ありませんが、デリケートな素材の場合は、手洗いコースやドライコースなど、衣類に合ったコースを選びます。
洗濯が終わったら、風通しのよい場所で外干し、または日陰干しをしてください。
多くの場合は、この最初の洗濯によって、表面についていた余分な染料や加工剤が洗い流され、気になっていた臭いも弱くなっていきます。
もし一度洗っても臭いが残っていても、すぐに諦める必要はありません。洗濯して乾かす工程を2〜3回繰り返すうちに、少しずつ臭いが薄れていくこともあります。
5. 洗濯しても新品の服の臭いが取れないときの対処法
「一度洗濯してみたけれど、まだ臭いが気になる……」ということもありますよね。
そんなときは、染料や油分など、臭いのもとになる成分が繊維の奥まで残っている可能性があります。いつもの洗濯だけで落ちにくい場合は、少しだけ手間を加えてみましょう。
ここでは、洗濯しても新品の服の臭いが残っているときに試したい対処法を、順番にご紹介します。
5-1. ぬるま湯を使った「つけ置き洗い」
普通に洗濯しても臭いが残っているなら、まず試したいのが「つけ置き洗い」です。
洗剤を溶かしたぬるま湯にしばらく浸しておくことで、繊維の奥に残った臭い成分を落としやすくします。
洗面器やバケツに、30〜40度程度のぬるま湯を用意しましょう。水よりもぬるま湯のほうが洗剤の成分が働きやすく、ミシン油など、製造工程で付着した油分も落としやすくなります。
そこに衣類用の液体洗剤を規定量入れてよく溶かし、服をしっかり浸します。そのまま30分〜1時間ほど置いておきましょう。
つけ置きが終わったら、水を捨てて服を軽く絞り、洗濯機ですすぎと脱水を行います。
いつもの洗濯だけでは気になっていた臭いも、ひと手間加えることでやわらぐことがあります。
5-2. つけ置き洗いの注意点と温度設定
ぬるま湯を使うときは、最初に洗濯表示を確認しておくと安心です。
たとえば、洗濯表示に「30」と書かれている場合は、30度以下の水温で洗う必要があります。
「温度を上げたほうが、もっと臭いが落ちそう」と感じるかもしれません。たしかに、温度が高くなると油分が落ちやすくなることはあります。
ただし、衣類によっては熱によって縮んだり、色落ちしたりすることもあります。
特に、「臭いをしっかり取りたいから」と高温のお湯で煮洗いするような方法は、生地を傷める原因になりかねません。
大切な服を長く着るためにも、無理に温度を上げず、洗濯表示に記載されている範囲内でお手入れしてあげてくださいね。
5-3. 酸素系漂白剤を活用する
つけ置き洗いをしても臭いが気になる場合は、「酸素系漂白剤」を使う方法もあります。
酸素系漂白剤には、臭いの原因となる物質を分解する働きが期待できます。そのため、洗剤だけでは落としにくかった臭いへの対策として取り入れられます。
ただし、使う前には洗濯表示を確認しておきましょう。漂白剤を使用できない衣類には使わないよう注意が必要です。
使用できる衣類であれば、お湯に洗剤と酸素系漂白剤を加え、30分程度つけ置きしたあと、洗濯機ですすぎます。
酸素系漂白剤は種類によって使い方や向いている衣類が異なるため、詳しい使い分けや注意点については、次の見出しで詳しく解説します。
5-4. 風通しの良い屋外で数日間干す
洗濯やつけ置きをしたあとは、すぐに乾燥機へ入れるのではなく、風通しの良い場所でしっかり乾かしてみるのもおすすめです。
外の風に当てて乾燥させることで、衣類に残っている臭いが少しずつ薄れていくことがあります。
一度洗って干しただけでは完全に臭いが取れなくても、風通しの良い場所に数日間吊るしておくと、徐々に気にならなくなる場合もあります。
ただし、直射日光に長時間当てると色褪せにつながることがあります。
お気に入りの服を傷めないためにも、できるだけ風通しの良い日陰を選んで干すようにしましょう。
6. 重曹・酸素系漂白剤などは新品の服の臭いに使える?
ネットの口コミや情報サイトなどで、「新品の服の臭い取りには重曹や酸素系漂白剤が良い」という情報を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。
重曹や酸素系漂白剤は、消臭や汚れ落としに役立つ便利なアイテムです。ただし、どんな服にも使えるわけではありません。
素材との相性や使い方によっては、生地を傷めたり色落ちしたりすることもあります。大切な服で失敗しないためにも、それぞれの特徴や注意点を確認してから使うことが大切です。
ここでは、重曹・酸素系漂白剤の使い方に加えて、セスキ炭酸ソーダについてもわかりやすく紹介します。
6-1. 重曹を臭い対策として検討できるケース
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、掃除や洗濯など、身近なところで幅広く使われているアイテムです。
水に溶かすと「弱アルカリ性」になるため、酸っぱい臭いなど、酸性の性質を持つ臭いを中和する効果が期待できます。
新品の服の臭い対策に使う場合は、ぬるま湯に重曹をしっかり溶かし、30分ほどつけ置きしてから通常どおり洗濯する方法があります。
ただし、ここで少し気をつけたいのが重曹の溶け残りです。
重曹は水に溶けにくいため、冷たい水で使うと粉が繊維に残り、服が白っぽくなったり、ゴワついたりすることがあります。使うときは、ぬるま湯でよく溶かしてから衣類を入れると安心です。
また、重曹はアルカリ性なので、ウールやシルクなどの動物性繊維には向いていません。デリケートな素材に使うと生地を傷める可能性があるため、使用は避けたほうがよいでしょう。
6-2. 酸素系漂白剤の効果と注意点
酸素系漂白剤も、衣類の臭い対策に使われることが多いアイテムです。
発生する酸素の働きによって、汚れや臭いの原因にアプローチします。塩素系漂白剤のような独特の刺激臭が少なく、商品によっては色柄物にも使えるのが特徴です。
酸素系漂白剤には、大きく分けて「粉末タイプ」と「液体タイプ」があります。
粉末タイプは弱アルカリ性で、消臭や汚れ落としに向いています。一方で、ウールやシルクなどには使えないものがあるため、綿・麻・ポリエステルなど、使用できる素材を確認してから使いましょう。
液体タイプは酸性で、粉末タイプに比べると穏やかに作用するものが多く、色柄物やデリケートな衣類にも使いやすいのが特徴です。
とはいえ、新品の服に使う場合に気をつけたいのが「色落ち」です。
新品の衣類は、漂白剤を使うことで色が薄くなったり、部分的に色ムラができたりする可能性があります。
いきなり服全体に使うのではなく、まずは目立たない部分で色落ちしないか確認してみてください。そのうえで、商品の表示に書かれている使用量や放置時間を守って使うと安心です。
6-3. その他の方法(セスキ炭酸ソーダなど)
新品の服の臭い対策として、重曹の代わりに「セスキ炭酸ソーダ」をすすめる情報を見かけることもあります。
セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ性が強く、水に溶けやすいのが特徴です。油性の汚れや酸性の臭いに対して役立つ可能性があります。
ただし、アルカリ性が強いぶん、生地への負担や色落ちにも注意が必要です。重曹と同じ感覚で、どんな衣類にも使えるものではありません。
重曹や酸素系漂白剤、セスキ炭酸ソーダは、上手に使えば心強いアイテムですが、「何にでも使える魔法の粉」というわけではありません。
新品の服の臭い取りに使うときは、まず洗濯表示を確認し、その素材に使えるものかをチェックしてみてください。
少しでも色落ちや生地へのダメージが心配な場合は、目立たない部分から試すのがおすすめです。大切な服だからこそ、無理に強い方法を使わず、その服に合った方法を選んでみてくださいね。
7. 素材別・衣類別で注意したいポイント
新品の服の臭いを取りたいとき、「綿だから大丈夫」「ポリエステルならこの方法でいい」と、素材名だけで洗い方を決めてしまうのは避けたいところです。
同じ素材でも、生地の織り方や染め方、裏地の有無などによって、適したお手入れ方法は変わります。
まず覚えておきたいのは、素材名だけで判断するのではなく、その衣類についている洗濯表示タグを確認すること。表示されているお手入れ方法を優先したうえで、素材や衣類ごとの特徴も知っておくと安心です。
ここからは、代表的な素材や衣類ごとに、臭いを取るときの注意点を見ていきましょう。
7-1. 綿(コットン)・麻(リネン)
Tシャツやシャツなどによく使われている綿や麻は、比較的丈夫で、水洗いしやすい素材です。
洗濯表示で問題がなければ、通常の洗濯機洗いやぬるま湯でのつけ置き、酸素系漂白剤を使ったお手入れができる場合もあります。
ただし、デニムのように濃い色に染められた衣類は、洗濯によって色落ちすることがあります。ほかの衣類への色移りを防ぐためにも、最初のうちは単独で洗っておくと安心です。
また、麻は水に濡れるとシワがつきやすく、縮むこともあります。長時間のつけ置きや強い脱水はできるだけ避け、やさしく扱うようにしましょう。
7-2. ポリエステルなどの化学繊維
ブラウスやスポーツウェアによく使われているポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、水洗いできるものが多い素材です。
一方で、熱にはあまり強くないため、お手入れするときは少し注意が必要です。
臭いをしっかり取りたいからといって高温のお湯で洗ったり、熱いスチームアイロンを直接当てたりすると、生地にテカりが出たり、元に戻りにくいシワがついたりすることがあります。
つけ置きをする場合は、洗濯表示を確認したうえで、ぬるま湯程度にしておくと安心です。
アイロンやスチームを使うときも、衣類の表示に合った温度に設定し、必要に応じて当て布を使いましょう。
7-3. ウール・シルク・ニット類
セーターなどに使われるウール(羊毛)や、スカーフ、高級ブラウスなどに使われるシルク(絹)は、とてもデリケートな素材です。
水分や摩擦の影響を受けやすく、扱い方によっては縮んだり、風合いが変わったりすることがあります。
そのため、まずは洗濯表示を確認しましょう。家庭での水洗いができない表示になっている場合は、自宅での洗濯や長時間のつけ置きは控えるのが安心です。
また、重曹や粉末タイプの酸素系漂白剤なども、素材によっては負担になることがあります。自己判断で使わず、衣類の表示や使用する洗剤・漂白剤の注意事項を確認してください。
臭いが気になる程度であれば、まずは風通しのよい日陰で干してみるのもひとつの方法です。衣類スチーマーを使う場合も、対応素材や温度を確認してから使いましょう。
自宅でのお手入れが難しそうな衣類は、無理をせずクリーニング店に相談するのがおすすめです。
7-4. コート・ダウンなどのアウター類
ジャケットやコート、ダウンジャケットなどのアウター類は、家庭でのお手入れが難しいものも少なくありません。
水洗いできる衣類であっても、洗い方によっては中の詰め物が偏ったり、型崩れしたりすることがあります。
新品特有の臭いが気になるときは、いきなり洗うのではなく、まず風通しのよい日陰に干して様子を見てみましょう。数日置くことで、臭いがやわらぐこともあります。
消臭スプレーを使いたい場合は、素材によってシミや変色が起こる可能性もあるため、使用できる素材かどうかを確認しておくことが大切です。目立たない場所で試してから使うと、より安心ですね。
それでも着るのが難しいほど臭いが残っている場合は、無理に自宅で処理しようとせず、クリーニング店への相談や、購入店への返品・交換を検討してみてください。
8. どうしても新品の服の臭いが取れないときは?
陰干しや洗濯、つけ置き、酸素系漂白剤など、いろいろ試してみたのに、それでも新品の服の臭いが残ってしまうことがあります。
ここまで試しても臭いが取れない場合は、無理に家庭でのお手入れを続けなくても大丈夫です。何度も洗ったり、薬品を使い続けたりすると、生地を傷めたり色落ちしたりして、かえって服を着られなくなってしまうことがあります。
そんなときは、家庭で何とかしようと頑張りすぎず、別の方法を考えてみましょう。ここでは、どうしても新品の服の臭いが取れないときに検討したい方法をご紹介します。
8-1. 無理に家庭洗濯を繰り返さない
「何度洗っても臭いが取れないから」といって、洗剤を決められた量より多く入れたり、熱湯を使ったり、1日に何度も洗濯したりするのは避けましょう。
洗濯を繰り返すほど、生地への負担も少しずつ大きくなります。臭いが取れる前に、色落ちや型崩れなどで服そのものを傷めてしまっては残念ですよね。
家庭でできるつけ置きや、洗濯表示に合った漂白剤の使用などを2〜3回試しても変化が見られない場合は、それ以上無理に洗い続けず、ほかの方法を検討するのがおすすめです。
8-2. クリーニング店などのプロへ相談する
家庭でのお手入れで臭いが取れないときは、クリーニング店に相談するのもひとつの方法です。
家庭での水洗いでは落としきれない油性の臭い成分や、特殊な加工剤による臭いの場合、ドライクリーニングが役立つことがあります。ドライクリーニングは、水ではなく専用の有機溶剤を使って洗うため、油分を落としやすいのが特徴です。
クリーニング店へ持ち込むときは、
「新品で購入した服であること」
「どのような臭いが気になっているのか」
「自宅で洗濯や漂白など、どんなお手入れをしたのか」
といったことを伝えておくと、相談しやすくなります。
ただし、クリーニングに出したからといって、必ず臭いがなくなるとは限りません。繊維の奥まで染み込んだ染料など、臭いの原因によっては完全に取りきれない場合もあります。その点も覚えておくと安心です。
8-3. 購入店舗や販売元への相談・返品の検討
開封したときから通常では考えにくいほど強い臭いがする場合や、明らかにカビが見られる場合、何度洗っても着られないほど臭いが続く場合は、商品の状態や保管環境に原因がある可能性も考えられます。
気になるときは、購入した店舗やオンラインショップのカスタマーサポートへ相談してみましょう。
場合によっては「新品特有の臭い」と判断されることもありますが、商品の状態によっては返品や交換の対象になることもあります。
ただし、返品や交換には、
「タグを切っていない」
「まだ着用していない」
「洗濯していない」
などの条件が設けられていることがほとんどです。
すでに自宅で洗濯したり、漂白剤を使ったりしていると、返品や交換が難しくなる可能性があります。
そのため、開封した直後に「これはちょっと臭いが強すぎるかも……」と感じた場合は、すぐに洗わず、まず購入店舗や販売元へ連絡してみるのがおすすめです。案内された方法に沿って対応すると、返品や交換が必要になった場合にもスムーズに進めやすくなります。
9. 新品の服の臭いに関するよくある質問
新品の服を買ったとき、「この臭いは大丈夫?」「着る前に洗ったほうがいいの?」と気になることもありますよね。
ここでは、新品の服の臭いについてよくある疑問を、Q&A形式でわかりやすくご紹介します。
9-1. 新品の服は着る前に洗った方がいい?
下着やTシャツなど、肌に直接触れる服は、着る前に一度洗っておくと安心です。
新品の服には、製造時に使われた染料や加工剤のほか、保管中のホコリなどが付着していることがあります。また、店頭の商品であれば、試着された際に皮脂などが付いている可能性もあります。
肌が敏感な方の場合、こうしたものが刺激になることもあるため、気になるときは一度洗ってから着るとよいでしょう。
ただし、アウターや水洗いできないデリケートな服まで、無理に洗う必要はありません。まずは洗濯表示を確認し、その服に合った方法でお手入れしてくださいね。
9-2. 新品の服の石油みたいな臭いは何?
新品の服から石油のような臭いがすると、少し心配になりますよね。
こうした臭いは、製造工程で使われる油や加工剤、染料などに由来している場合があります。
たとえば、縫製の際に使われる機械の油や、服に施された加工に使われる薬剤など、いくつかの臭いが混ざることで「石油っぽい」と感じることがあります。
また、ポリエステルなどの化学繊維を使った服では、素材や加工に由来する独特の臭いが残っているケースもあります。
多くの場合は、風通しのよい場所で陰干ししたり、洗濯表示に合った方法で洗ったりすることで、少しずつ臭いがやわらいでいきます。
9-3. 新品の服の臭いを今すぐ消す方法は?
「今日着たいのに臭いが気になる」というときは、衣類スチーマーや衣類用の消臭スプレーを使う方法があります。
衣類スチーマーは、蒸気の熱と水分を利用して臭いをやわらげられることがあります。洗濯する時間がないときにも取り入れやすい方法です。
ただし、素材によっては熱や蒸気に弱いものもあります。使う前に洗濯表示を確認し、衣類に合った温度で使用しましょう。
消臭スプレーを使う場合は、もともとの臭いと香料が混ざってしまうこともあります。香りが気になる方は、無香料タイプを選ぶと使いやすいでしょう。
9-4. 洗濯しても臭いが取れないのはなぜ?
一度洗ったのに臭いが残っていると、「ちゃんと洗えていないのかな?」と気になりますよね。
新品の服の臭いには、水だけでは落ちにくい油性の成分が関係している場合があります。また、染料や加工剤などの臭いが繊維に残っていることもあり、一度の洗濯では十分に薄くならないケースもあります。
そんなときは、洗濯表示を確認したうえで、ぬるま湯でのつけ置き洗いなどを試してみるのもひとつの方法です。
酸素系漂白剤を使える素材であれば、臭い対策として利用できる場合もあります。ただし、衣類によっては使用できないこともあるため、必ず表示を確認してから使いましょう。
9-5. 新品の服に重曹を使ってもいい?
綿や麻、ポリエステルなど、水洗いできる衣類であれば、重曹を使える場合があります。
重曹は弱アルカリ性のため、臭いの種類によっては、気になる臭いをやわらげるのに役立つことがあります。ぬるま湯に溶かし、つけ置き洗いに使う方法が一般的です。
ただし、重曹が十分に溶けていないと、乾いたあとに白い跡が残ってしまうことがあります。
また、ウールやシルクなどのデリケートな素材には向かないことがあります。大切な服を傷めないためにも、素材と洗濯表示を確認してから使うようにしてください。
9-6. 臭いが他の服に移ることはある?
臭いが強い新品の服をほかの衣類と一緒に長時間保管したり、一緒に洗濯したりすると、臭いが移ってしまうことがあります。
特に最初の洗濯では、衣類によっては染料が出て色移りすることもあります。そのため、色落ちが心配な服や臭いが強い服は、最初だけ単独で洗っておくと安心です。
保管するときも、臭いが気になるうちは、ほかの服とぴったり重ねずに風通しのよい場所へ掛けておくとよいでしょう。
少し時間を置くだけでも、臭いがやわらぐことがあります。
9-7. 水洗いできない服が臭い場合はどうする?
洗濯表示が「水洗い不可」になっている服は、無理に自宅で洗わないようにしましょう。
まずは風通しのよい日陰に掛けて、臭いが落ち着くか様子を見るのがおすすめです。
臭いの種類によっては、数日から1週間ほど陰干しすることで、少しずつ気にならなくなる場合があります。
それでも着るのが難しいほど強い臭いが残るときは、無理に自分で処理せず、クリーニング店に相談すると安心です。
購入したばかりの商品で臭いがあまりにも強い場合は、購入店に状態を伝えて、対応について相談してみるのもよいでしょう。
10. まとめ
新品の服を楽しみに買ったのに、袋を開けた瞬間に気になる臭いがすると、ちょっと残念な気持ちになりますよね。
でも、慌てなくても大丈夫です。新品の服の臭いは、服が作られる過程や、運ばれている間の保管環境などが関係していることもあり、ちょっとしたお手入れで気になりにくくなる場合があります。
まず試してほしいのは、すぐに洗濯機へ入れるのではなく、パッケージから出して風通しの良い日陰に干すことです。
そのうえで、洗う前には「洗濯表示タグ」も確認しておきましょう。水洗いできる素材なのか、漂白剤を使っても問題ないのかをチェックしておくと、服を傷める心配も減らせます。
水洗いできる服なら、最初はほかの衣類と分けて単独で洗ってみてください。それでも臭いが気になる場合は、ぬるま湯でつけ置きをしたり、使用できる素材であれば酸素系漂白剤を試したりと、服の様子を見ながらやさしい方法から順番に進めていきましょう。
それでも臭いが取れないデリケートな服や、いつもとは違う強い臭いが気になる場合は、無理に自分で何とかしようとせず、クリーニング店や購入したお店に相談するのがおすすめです。
お気に入りの一着だからこそ、できるだけやさしくお手入れしてあげたいもの。服に合った方法を選びながら、気持ちよくおしゃれを楽しんでくださいね。

