ポリエステルの新品が臭い原因とは?ニオイの取り方と取れない時の対処法

新品のポリエステルの服や布製品を購入して袋を開けた瞬間、「石油のような臭いがする」「酸っぱいような、化学薬品のような独特の臭いがする」と驚いた経験はないでしょうか。新品なのにどうしてこんな臭いがするのか、不安に感じる方も多いはずです。

結論からお伝えすると、新品のポリエステルが臭う原因は1つではありません。ポリエステルという繊維そのものが臭っているのではなく、製造工程で使われた油剤、染色時の染料、仕上げの加工剤、さらには海外からの輸送や倉庫保管時に付着した防虫剤や包装フィルムの臭いなど、複数の要因が絡み合っていると考えられます。

臭いを取るためにまず試すべき安全な対処法は、「風通しの良い場所での陰干し」や「洗濯表示に従った通常の洗濯」です。しかし、原因によっては一度洗っただけでは臭いが取れないことも珍しくありません。その場合は、酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いが有効なケースもありますが、それでも全く臭いが取れない場合は、家庭での洗濯の限界として別の対応が必要になります。

この記事では、新品のポリエステルが臭う原因を徹底的に掘り下げるとともに、素材を傷めずに臭いを取るための具体的なステップ、何度洗っても取れない場合の対応、健康への影響に関する疑問まで、分かりやすく丁寧に解説します。

目次

1. 結論から解説:新品のポリエステルが臭う原因と、まず試したい臭いの取り方

新品のポリエステル製品を開封したとき、「なんだか独特の臭いがする……」と気になったことはありませんか?

この記事にたどり着いた方が知りたいのは、きっと「新品なのに、どうして臭うの?」「この臭いはどうすれば取れるの?」という2点ではないでしょうか。

まずは、結論からお伝えします。

新品のポリエステルが臭うからといって、必ずしも「ポリエステルという素材そのもの」が臭っているわけではありません。

洋服の生地が作られ、染色され、服の形に縫製されて、袋に詰められるまで。その製造や保管、輸送の過程で付着したさまざまな成分や臭いが残っている可能性があります。

具体的には、次のような原因が考えられます。

・糸を作る際、機械の滑りを良くするために使われる「油剤」
・ポリエステルに色をつけるための「染料」や「キャリア剤(染色を助ける薬品)」
・生地を柔らかくしたり、静電気を防いだりするための「仕上げ加工剤」
・長期間のコンテナ輸送や倉庫保管の際に使われる「防カビ剤」や「防虫剤」
・密閉された包装用ビニール袋から移った臭い

こうした臭いが繊維に残ったまま袋の中に密閉されると、開封した瞬間に「かなり臭う」と感じることがあります。

実は、新品の服の臭いにはいくつもの原因が考えられるため、「これが原因です」と一つだけに決めるのは難しいものです。商品によっても、臭いの元は異なります。

とはいえ、まずは家庭でできる簡単なお手入れから試せます。

臭いが気になるときは、次の順番で対処してみましょう。

  1. 風通しの良い日陰に干し、揮発性の(空気中に蒸発しやすい)臭いを飛ばす
  2. 洗濯表示(取り扱い絵表示)を確認し、水洗いできる場合は、普段使っている洗濯用洗剤で洗ってしっかり乾かす
  3. それでも臭いが残る場合は、40℃程度のぬるま湯と「酸素系漂白剤」を使い、30分〜1時間ほどつけ置き洗いをする

まずは1から順番に試してみてください。多くの場合、こうしたお手入れをすることで臭いは軽減されます。

ただし、製造時についた成分が強く残っていたり、生地に染料の臭いがしっかり定着していたりすると、家庭で何度洗っても臭いが取れないことがあります。

そんなときは、無理に強い薬品を使ったり、熱湯で煮込んだりする必要はありません。

クリーニング店などのプロに相談するか、購入した販売店やメーカーに「臭いが強いのですが、返品や交換はできますか?」と問い合わせてみるのも一つの方法です。

ここからは、新品のポリエステルが臭う原因や、具体的な臭いの取り方について、初心者の方にも分かりやすいように一つずつ詳しく見ていきましょう。

2. 新品のポリエステルが臭うのはなぜ?考えられる原因

新品のポリエステル製品を開封したとき、「なんだか石油っぽい……」「ツンとした臭いが気になる」と感じたことはありませんか?

新品なのに臭いがすると、少し心配になってしまいますよね。

ただ、その臭いはポリエステルそのものではなく、製造や染色、輸送などの途中で使われた油剤や薬品が関係している可能性があります。

ここでは、新品のポリエステルが臭う主な原因を、工程ごとに見ていきましょう。

2-1. 製造工程で使われる油剤などが残っている可能性

ポリエステルは、石油をもとに作られる化学繊維です。

繊維を細い糸にする「紡糸」の工程や、その糸を使って布を作る工程では、機械との摩擦を減らしたり、糸が切れるのを防いだりするために、「紡糸油剤」や「平滑剤」といった油剤が使われます。

こうした油剤は、通常であれば後の洗浄工程で取り除かれます。

ところが、製造方法や洗浄の状態によっては、わずかに油剤が生地に残ってしまうこともあります。

すると、購入後に袋を開けたとき、

「石油のような臭いがする」
「機械油のような臭いがする」

と感じることがあります。

そのため、新品のポリエステル製品から油っぽい臭いがするときは、製造時に使われた油剤が残っている可能性も考えられます。

2-2. 染色や仕上げ加工が臭いに関係する可能性

ポリエステルは、綿や麻などの天然繊維と比べると、少し染まりにくい素材です。

そのため、一般的には「分散染料」と呼ばれる染料を使い、高温・高圧の状態で染色します。

また、染料を繊維の中まで入り込みやすくするために、「キャリア剤」と呼ばれる薬品が使われることもあります。

染色が終わったあとにも、衣類の用途に合わせてさまざまな加工が行われます。

たとえば、生地をやわらかくする柔軟加工、静電気を起こりにくくする帯電防止加工、水をはじきやすくする撥水加工などです。

こうした染料や加工剤には、それぞれ特有の臭いがあります。

余分な染料や薬品を洗い落とす「還元洗浄」が十分に行われていれば、臭いは残りにくくなります。

一方で、洗浄後も成分がわずかに残っていると、

「ツンとした酸っぱい臭い」
「少し甘いような薬品の臭い」
「焦げたように感じる臭い」

などにつながることがあります。

また、黒やネイビーなどの濃い色の衣類では、染色の条件によって臭いを強く感じる場合もあります。

2-3. 包装・輸送・倉庫などで臭いが付くことも

衣類が完成したあと、私たちの手元に届くまでの環境が臭いに影響することもあります。

現在は、海外の工場で作られた衣類が、船などで長い距離を運ばれてくるケースも少なくありません。

輸送中のコンテナは、通過する地域や季節によって高温多湿になりやすく、保管環境によっては防虫や防カビのための薬剤が使われる場合もあります。

さらに、衣類を包んでいるビニール袋などの包装材の臭いが移ることもあります。

倉庫で保管されている間に、周囲の臭いやホコリっぽさを感じるようになるケースも考えられるでしょう。

とくに衣類が密閉された袋に入っていると、こうした臭いが外へ逃げにくくなります。

そのため、袋を開けた瞬間に、

「思っていたより臭いが強い……」

と感じることがあるのです。

2-4. ポリエステル繊維そのものが臭っているの?

ここまで読むと、

「そもそも、ポリエステルという素材自体が臭うのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

ですが、ポリエステルの主成分であるポリエチレンテレフタレートなどは、完成した安定した状態では基本的に強い臭いを持つものではありません。

身近なものでは、ペットボトルにも同じ種類の素材が使われています。

ペットボトルそのものから、強い石油臭や薬品臭を感じることはあまりありませんよね。

つまり、「新品のポリエステルが臭う」と感じる場合は、ポリエステルそのものが臭っているというより、製造や染色、仕上げ、輸送などの途中で付着した油分や薬品、周囲の臭いなどが残っている可能性があります。

原因が繊維そのものではなく、表面などに残った成分であれば、洗濯で付着物を落としたり、風通しのよい場所で臭いを逃がしたりすることで、改善できる場合もあります。

3. 新品の臭いと着用後のポリエステル臭は原因が違う

ポリエステルの臭いについてインターネットで調べてみると、「汗の臭い」や「生乾きの臭い」に関する情報がたくさん出てきます。

ただ、ここで少し注意したいのが、「新品のときから感じる臭い」と「着用したあとに発生する臭い」は、同じポリエステルの臭いでも原因が異なるということです。

この2つを混同してしまうと、せっかく対策しても思ったように臭いが取れなかったり、方法によっては衣類に負担をかけてしまったりすることもあります。

まずは、それぞれの臭いがなぜ発生するのか、違いを見ていきましょう。

3-1. 新品の状態で感じる臭い

これまでお伝えしてきたように、新品の状態で感じる臭いは、主に「製造過程で使われる油剤」「染色や加工に使われる薬品」「防虫剤や包装材からの臭い移り」などが関係しています。

新品の服を開封したとき、次のような臭いを感じたことはないでしょうか。

・石油のような機械的な臭いがする
・ツンとする酸っぱい薬品のような臭いがする
・甘ったるい、不自然な臭いがする
・一度も着ていないのに、袋を開けた瞬間から臭う

こうした新品特有の臭いは、着用後に発生する汗臭や生乾き臭とは、少し性質が違います。

原因となるものの多くは、製造や加工、保管の過程で衣類に残った物質です。そのため、着用後の臭い対策としてよく行われる「除菌」だけでは、十分に臭いが取れないこともあります。

新品の臭いには、臭いの原因となる成分を空気中に揮発させて飛ばしたり、洗濯によって落としたりする考え方が基本になります。

特に油分となじみやすい汚れの場合は、ただ水ですすぐだけではなく、洗剤を使って少しずつ洗い流していくことが大切です。

3-2. 汗や皮脂など着用後に発生する臭い

一方で、購入したときには気にならなかったのに、何度か着ているうちに臭うようになった場合は、別の原因が考えられます。

ポリエステルには「親油性(しんゆうせい)」と呼ばれる、油分となじみやすい性質があります。

そのため、着用中に汗とともに付着した皮脂が繊維に残りやすく、通常の洗濯だけでは落としきれないことがあります。

少しずつ皮脂汚れが蓄積すると、それを栄養にしてモラクセラ菌などの雑菌が増えやすくなります。

そして、雑菌がつくり出す代謝物などによって、「雑巾のような生乾き臭」「酸っぱい汗のような臭い」「加齢臭に似た臭い」などを感じることがあります。

つまり、着用後に気になり始めた臭いの場合は、新品時に残っていた薬品などではなく、皮脂汚れや雑菌が関係している可能性があるということです。

3-3. 洗ったあとに臭くなる場合の違い

ここまでを簡単に整理すると、新品の状態で感じる臭いと、着用後に発生する臭いでは、考えられる原因が違います。

新品時の臭いは、製造や加工、保管の過程で付着した物質が関係していることがあります。

一方、着用後の臭いは、繊維に残った皮脂汚れや、そこに増えた雑菌などが関係していることがあります。

では、「新品のときはまったく臭わなかったのに、一度着て洗濯したあとから急に臭いが気になる」という場合はどうでしょうか。

この場合は、新品特有の臭いというよりも、洗濯中にほかの衣類から出た汚れを吸着してしまう「逆汚染」や、乾くまでに時間がかかったことで雑菌が増えた可能性などが考えられます。

「洗ったのに、なぜか前より臭う……」となると少し不思議に感じますよね。

ですが、同じポリエステルの臭いでも、いつから臭い始めたのかによって原因の見当をつけやすくなります。

この記事では、このあと主に「新品の状態で感じる臭い」に焦点を当てて、臭いをやわらげる方法を詳しくご紹介していきます。

まずは、ご自身の服が「買ったときから臭っていたのか」「着たり洗ったりしたあとから臭い始めたのか」を思い出してみてください。

臭いのタイプを見極めることが、すっきり解決するための第一歩です。

4. 新品のポリエステルの臭いを取る方法

新品のポリエステルを買ったのに、袋から出した瞬間に独特の臭いがすると気になりますよね。

「できるだけ早く臭いを取りたい」と思うかもしれませんが、いきなり強力な洗剤や熱湯を使うと、生地を傷めてしまうことがあります。

そこでここからは、衣類への負担が少なく、試しやすい方法から順番に「3つのレベル」に分けてご紹介します。

まずはやさしい方法から試して、臭いの残り具合を見ながら次のステップへ進んでみてください。

4-1. まず洗濯表示を必ず確認する

臭い取りを始める前に、まず確認しておきたいのが、衣類の裏側などについている「洗濯表示(取り扱い絵表示)のタグ」です。

ここはとても大切なポイントなので、最初にチェックしておきましょう。

ポリエステル100%の衣類であれば、水洗いできるものが多くあります。

ただし、ポリエステルとウール、ポリエステルとシルクなどの「混紡(異なる種類の糸を混ぜて織った生地)」だったり、特殊なプリーツ加工が施されていたりすると、水洗いできない場合があります。

洗濯表示に「桶に水が入っているマーク」があれば、家庭で水洗いが可能です。

反対に、桶に×印がついている場合は家庭で水洗いできません。その場合は、まず後ほどご紹介する「陰干し」を試してみましょう。それでも臭いが気になるようなら、クリーニング店に相談すると安心です。

また、桶の中に書かれている数字は、洗濯液の温度の上限を表しています。

たとえば「40」と書かれていれば、40℃までの水温で洗えるという意味です。

4-2. 【レベル1】風通しの良い場所で陰干しする

最初に試したいのが、衣類を水に通さずにできる「陰干し」です。

新品特有の臭いの原因となる防虫剤や一部の化学薬品には、空気に触れることで蒸発しやすい性質を持つものがあります。

そのため、袋から出して新鮮な空気に当てるだけでも、臭いがかなりやわらぐことがあります。

まずは、こちらから試してみましょう。

具体的な手順:

  1. 衣類を袋から取り出し、形を整えてハンガーにかけます。
  2. 直射日光の当たらない、風通しの良い場所に干します。ベランダの日陰などがおすすめです。直射日光に長時間当てると、紫外線によって色あせなどが起こる可能性があるため、「陰干し」を意識しましょう。
  3. そのまま1日〜数日ほど干し、臭いが薄くなっているか様子を見ます。

屋外に干すのが難しい場合でも大丈夫です。

換気扇を回したお風呂場に干したり、室内で扇風機やサーキュレーターの風を当てたりする方法でも試せます。

軽い臭い移りであれば、陰干しだけで気にならなくなることもあります。

4-3. 【レベル2】洗濯できる衣類なら表示に従って洗う

陰干しをしてもまだ臭いが残っている場合や、「できればすぐに着たい」という場合は、通常の水洗いを試してみましょう。

臭いの原因が、生地の表面に残った油剤や薬品などであれば、一般的な洗濯用洗剤で洗い流せることがあります。

具体的な手順:

  1. 洗濯表示を確認し、水洗いできる衣類であることを確かめます。
  2. 衣類を裏返して洗濯ネットに入れます。こうすることで、摩擦による生地の傷みや毛玉を防ぎやすくなります。
  3. 普段使っている「弱アルカリ性」または「中性」の洗濯用洗剤を使い、洗濯表示に書かれている上限温度までの水、またはぬるま湯で洗います。
  4. 洗濯が終わったらすぐに取り出し、軽くシワを伸ばしてから、風通しの良い場所で陰干しします。

粉末洗剤などに多い「弱アルカリ性洗剤」は、油汚れを落とす力が比較的強いため、製造時の機械油などが原因となっている石油系の臭いに向いている場合があります。

ただし、ウールなどのデリケートな素材が混ざっている衣類なら、おしゃれ着用の中性洗剤を選ぶほうが安心です。

また、「いい香りの柔軟剤を使えば臭いをごまかせるかも」と思う方もいるかもしれません。

ただ、柔軟剤は香りを重ねるだけになってしまったり、ポリエステルの繊維をコーティングして原因物質を閉じ込めてしまったりする可能性があります。

臭いが気にならなくなるまでは、柔軟剤の使用をいったん控えてみるのがおすすめです。

4-4. 【レベル3】臭いが残る場合はつけ置き洗いを検討する

1度、2度と普通に洗濯しても臭いがほとんど変わらない場合は、原因となる物質が繊維の奥に残っている可能性があります。

そんなときは、少し洗浄力を上げた「つけ置き洗い」を検討してみましょう。

ここで使えるのが「酸素系漂白剤」です。

酸素系漂白剤には粉末タイプと液体タイプがありますが、油汚れや臭いに対して、より高い洗浄力を期待できるのが「粉末タイプ(成分:過炭酸ナトリウム)」です。

弱アルカリ性で、発泡する力を利用しながら繊維の奥に残った汚れや臭いの元を浮かせていきます。

具体的な手順
※始める前に、必ず洗濯表示で漂白剤が使えるかどうかと、使用できる温度の上限を確認してください。

  1. 大きめの洗面器やバケツに、40℃程度のぬるま湯を入れます。お風呂のお湯より少し高めくらいが目安です。
  2. 規定量の酸素系漂白剤(粉末)を入れ、しっかり溶かします。普段使っている洗濯用洗剤を規定量加えると、さらに効果が高まることがあります。
  3. 臭いが気になるポリエステル衣類を完全に沈め、30分〜1時間ほどつけ置きします。
  4. 時間が経ったら軽く絞り、洗濯機に入れて、通常のコースでもう一度すすぎと脱水を行います。
  5. 洗濯が終わったら、なるべく早めに取り出し、風通しの良い日陰で干しましょう。

また、身近なアイテムで試したい場合は、「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」という選択肢もあります。

どちらもアルカリ性なので、油由来の臭いを中和する効果が期待できます。

たとえば、酸素系漂白剤の代わりに重曹を大さじ2〜3杯ほどぬるま湯に溶かし、つけ置きしてみる方法もあります。

比較的取り入れやすい方法なので、衣類の洗濯表示を確認しながら試してみてください。

4-5. 酸素系漂白剤などを使う場合の注意点

つけ置き洗いは臭い対策として役立つ方法ですが、衣類を傷めないためにいくつか気をつけたいことがあります。

まず、酸素系漂白剤には「粉末タイプ」と「液体タイプ」があります。

ウールやシルクが少しでも混ざっている生地には、アルカリ性の粉末タイプは使用しないようにしましょう。

動物性タンパク質でできた繊維を傷め、生地がボロボロになってしまう可能性があるためです。

混紡素材の場合は、必ず漂白剤のパッケージに書かれている説明を確認し、使用できる素材かどうかをチェックしてください。

必要に応じて、より穏やかな「液体タイプの酸素系漂白剤」を選びましょう。

また、お湯の温度にも注意が必要です。

温度が高すぎるとポリエステル生地が変形するおそれがあるため、40℃〜50℃程度までを目安にし、熱湯は避けてください。

つけ置き時間も長ければ長いほど良いわけではありません。

長くても1〜2時間程度にとどめ、半日などの長時間つけたままにするのは避けましょう。色落ちや生地の傷みにつながることがあります。

新品の臭いが気になると、どうしても一度でスッキリさせたくなりますよね。

ただ、衣類を長くきれいに着るためにも、まずは陰干しから始め、必要に応じて洗濯、つけ置きへと段階的に進めていくのがおすすめです。

5. 洗っても新品のポリエステルの臭いが取れないとき

陰干しをして、いつも通り洗濯をして、さらに酸素系漂白剤でつけ置きまで試した。それでも、石油のような臭いや薬品のような臭いがなかなか取れないことがあります。

「ここまでやったのに、まだ臭う……」となると、どうしたらいいのか困ってしまいますよね。

家庭でできる方法をいくつか試しても臭いが残る場合は、無理に洗濯を繰り返すのではなく、別の方法を考えてみましょう。

5-1. 何度洗っても臭いが落ちない理由

家庭で洗濯やつけ置きをしても臭いが落ちない場合、臭いの原因となる染料や加工剤などがポリエステル繊維に強く残っている可能性があります。

また、製造時の加工や洗浄の状態によって、繊維そのものに臭いが残っているケースも考えられます。

前述したように、ポリエステルは130℃ほどの高温・高圧の環境で染色されることがあります。その工程で使われた染料や薬品などが十分に取り除かれず、生地に残った状態で製品になることもあります。

こうして繊維の奥まで残ってしまった化学的な臭いは、家庭用の洗剤や40℃程度のぬるま湯だけでは、取り除くのが難しいことがあります。

残念ながら、「○回洗えば必ず臭いが取れる」という決まった回数があるわけではありません。

数回洗ってもほとんど変化がない場合は、「もう少し洗えば取れるかも」と何度も繰り返すより、ほかの方法を試してみたほうがよいでしょう。

5-2. クリーニング店に相談する

家庭で水洗いしても取れない臭いなら、一度クリーニング店に相談してみるのも方法のひとつです。

特に、油に溶けやすい成分が臭いの原因になっている場合は、「ドライクリーニング」で改善する可能性があります。

ドライクリーニングは、水ではなく専用の溶剤を使って衣類を洗う方法です。水洗いでは落としにくい油性の汚れや成分を取り除くのが得意なので、製造工程で使われた油剤などが臭いの原因であれば、改善が期待できます。

ただし、どんな臭いでも必ず落とせるわけではありません。

染料そのものの臭いや、生地の奥深くに残っている薬品のような臭いは、プロのクリーニングでも完全に取り除くのが難しい場合があります。

そのため、いきなりクリーニングをお願いするのではなく、まずは受付で相談してみると安心です。

たとえば、

「新品で購入した服なのですが、洗っても石油のような強い臭いが取れません。ドライクリーニングで改善できそうでしょうか?」

と伝えてみてください。

衣類の素材や状態を見てもらったうえで、クリーニングできるかどうかを判断してもらいましょう。

5-3. 販売店やメーカーに問い合わせる・返品や交換を検討する

何度洗っても取れないほど強い臭いがする場合は、製造工程での加工や洗浄に問題があった可能性も考えられます。

着るのをためらってしまうほど臭いが強いなら、無理に使い続ける必要はありません。

購入した販売店や、タグに記載されているメーカーのお客様相談窓口へ問い合わせてみましょう。

問い合わせるときは、

「新品を開封したときから石油のような強い臭いがあり、一度洗濯しましたが、ほとんど取れませんでした。着用するのが難しいため、返品や交換はできますか?」

というように、購入したときから臭いがあったことや、どのような対処をしたのかをそのまま伝えると話がスムーズです。

このとき、できれば捨てずに取っておきたいのが「レシート」と「商品タグ」です。

返品や交換の際には、購入したことを確認できるレシートや、通販であれば注文履歴が必要になることがあります。また、商品についていた紙のタグを求められる場合もあります。

新品の服を開けて「ちょっと臭いが強いかも?」と感じたら、すぐにタグを捨ててしまわず、しばらく保管しておくと安心です。

なお、返品や交換の条件は店舗やメーカーによって異なります。

一度洗濯した商品は返品できない場合もありますが、商品の状態によっては対応してもらえることもあります。まずは購入したお店の返品・交換についてのルールを確認し、わからない場合は問い合わせてみてください。

何度洗っても臭いが変わらないときは、自分だけで何とかしようとせず、クリーニング店や販売店に相談することも大切な選択肢です。

6. 新品のポリエステルの臭い取りで注意したいこと

新品のポリエステル特有の臭いが気になると、「できるだけ早く取りたい」と思いますよね。

ただ、インターネットで見かけた極端な方法や自己流の裏技を試してしまうと、せっかくの服を傷めてしまうことがあります。

大切な服を長くきれいに着るためにも、臭い取りをするときに避けたいことや注意点を確認しておきましょう。

6-1. 熱湯や極端な高温は避ける

「熱湯で煮洗いすれば、頑固な臭いも取れる」という体験談を見かけることがあります。

ですが、ポリエステル製品に熱湯を使うのは避けたほうが安心です。

ポリエステルは、熱によって形が変わりやすい性質を持つ素材です。おおむね60℃〜70℃以上の高温にさらされると、生地が急に縮んだり、表面がテカテカと光ったりすることがあります。

また、きれいについていたプリーツ(折り目)が消えてしまうこともあります。

せっかく臭いが取れても、服の形が崩れて着られなくなってしまっては残念ですよね。

洗うときは、まず洗濯表示に書かれている上限温度を確認しましょう。つけ置きをする場合も、最大で40℃〜50℃ほどの「手で触れられる程度のぬるま湯」にとどめておくのがおすすめです。

6-2. 長時間のつけ置きは生地を傷める

「長くつけておいたほうが、臭いもしっかり取れそう」と感じるかもしれません。

ですが、漂白剤や洗剤を溶かした液に数時間から一晩つけたままにすると、生地の繊維を傷めたり、色落ちや色移りにつながったりすることがあります。

特に色柄物のポリエステルは注意が必要です。

アルカリ性の液に長時間つけておくと、染料が溶け出し、水が真っ黒や真っ赤になることがあります。お気に入りの服の色合いや風合いまで変わってしまう可能性があります。

つけ置き時間は、長くても1時間〜2時間程度を目安にするとよいでしょう。

「気づいたら何時間も経っていた……」とならないように、タイマーをかけておくと安心です。

6-3. 塩素系漂白剤や強い洗剤の使用リスク

カビ取り剤やキッチン用の漂白剤としておなじみの「塩素系漂白剤(ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウム)」は、とても強い漂白力と殺菌力を持っています。

そのため、臭いもすっきり取れそうに感じるかもしれません。

ただし、色柄物のポリエステル衣類に塩素系漂白剤を使うと、色が一気に抜けて、まだらに脱色してしまうことがあります。

また、真っ白なポリエステル衣類でも、塩素の影響で生地が黄色く変色することがあります。

臭い取りが目的であれば、塩素系漂白剤は無理に使わないほうが安心です。

衣類の臭い取りには、色柄物にも使える「酸素系漂白剤」を選ぶとよいでしょう。

6-4. 洗剤同士の混合は絶対にNG

臭いをしっかり取りたいからといって、洗剤を自己流で混ぜるのは避けましょう。

「酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤を混ぜたら、もっと強力になるのでは?」と思うかもしれませんが、組み合わせによってはとても危険です。

特に注意したいのが、「塩素系の漂白剤」と「酸性の洗剤(クエン酸など)」の組み合わせです。

これらが混ざると化学反応が起こり、危険な有毒ガスが発生します。

パッケージに「混ぜるな危険」と書かれている製品はもちろん、家庭にある掃除用品や洗剤を自己流で混ぜ合わせるのもやめておきましょう。場合によっては、命に関わる事故につながるおそれがあります。

臭いを早く取りたいときほど、いろいろなものを組み合わせたくなるかもしれません。

ですが、市販の洗濯洗剤や酸素系漂白剤を単独で使うか、メーカーが推奨している組み合わせと規定量を守って使うことが、安全に臭いを落とすための大切なポイントです。

7. 新品のポリエステルの臭いは体に悪い?

新品のポリエステル製品から、石油や化学薬品のような強い臭いがすると、「この臭いを吸い込んでも大丈夫なの?」「肌に触れてアレルギーが出たりしない?」と心配になりますよね。

実際、同じように安全性が気になって調べている方も少なくありません。

ここでは、新品のポリエステルの臭いが体に与える影響について、わかりやすく見ていきましょう。

7-1. 一般的な健康への影響について

新品のポリエステルから感じる臭いの原因には、前述したように、染料や加工剤などから発生する「揮発性有機化合物(VOC)」と呼ばれる化学物質が関係していることがあります。

一般的に、日本国内で正規に販売されている衣料品であれば、微量の臭い成分によって、すぐに重大な健康被害が起こる可能性は低いと考えられています。

健康な大人であれば、まずは陰干しをしたり、一度洗濯したりして臭いをやわらげてから着用することで、問題なく使えるケースがほとんどです。

なお、シックハウス症候群の原因物質として知られている「ホルムアルデヒド」は、ポリエステルそのものの製造には基本的に使われません。

ただし、綿との混紡生地やプリント加工が施された部分、保管中にほかの衣類から移った場合など、まったく可能性がないとは言い切れません。

日本では、特に生後24か月以内の赤ちゃん向け衣類について、ホルムアルデヒドに厳しい規制が設けられています。

7-2. 気分が悪い、刺激を感じる場合は無理に着ない

とはいえ、「一般的には問題が少ないから、誰にとってもまったく影響がない」というわけではありません。

化学物質に対する感じ方には個人差があります。

化学物質過敏症の傾向がある方や、臭いに敏感な方、肌が弱い方、小さなお子さんなどは、わずかな化学成分でも不快な症状を感じることがあります。

たとえば、次のような症状です。

・頭痛や吐き気、めまいがする
・臭いを嗅いでいると気分が悪くなる
・肌に触れた部分がチクチクしたり、赤みやかゆみが出たりする
・目や喉に刺激を感じる

新品の服を開封したときに、このような症状や違和感を感じた場合は、無理に着続けないようにしましょう。

いったん服を体から離し、窓を開けるなどして部屋を換気してみてください。

また、何度洗っても強い臭いが残っていたり、着るたびに体調が悪くなったりする場合は、使用を控えるほうが安心です。

気になる場合は、販売元に商品の状態を相談してみるのもよいでしょう。

「せっかく買ったから」と我慢して着る必要はありません。臭いや肌への刺激が気になるときは、無理をせず、自分の体の感覚を大切にしてくださいね。

8. ポリエステルの新品の臭いに関するよくある質問

ここでは、ポリエステル製品の新品特有の臭いについて、よくある疑問をFAQ形式でまとめました。

「買ったばかりなのに、どうしてこんな臭いがするの?」「洗っても取れないときはどうすればいい?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

8-1. ポリエステル100%の服は新品だと臭いやすい?

ポリエステル100%だからといって、必ず臭いがするわけではありません。

しっかりと品質管理され、適切な洗浄工程を経ている製品であれば、新品でもほとんど臭いを感じないことがあります。

ただし、ポリエステルは製造する際に油剤を使用したり、高温で染料を定着させたりと、さまざまな工程を経ています。そのため、綿や麻などの天然繊維と比べると、洗浄が十分でない場合に「石油のような臭い」が残りやすい傾向があります。

特に、大量生産されているファストファッションや安価な海外製品などでは、こうした臭いが気になることもあります。

8-2. 一度洗っても臭いのはなぜ?

一度きれいに洗ったのに、まだ臭いが残っていると気になりますよね。

新品の臭いの原因となる油剤や染料の成分は、水に溶けにくく、繊維の奥に残っていることがあります。

そのため、家庭用の洗濯機と普段使っている中性洗剤で一度洗っただけでは、表面の汚れは落とせても、繊維の内部に残った成分までは十分に取りきれない場合があります。

乾いたあとに「また臭ってきた」と感じるのも、そのためです。

一度の洗濯で臭いが取れなくても、すぐに諦めなくて大丈夫です。まだ気になる場合は、酸素系漂白剤を使ったつけ置きなどを試してみるのもよいでしょう。

8-3. 重曹で新品の臭いは取れる?

はい。重曹を使うことで、新品の石油系の臭いがやわらぐことがあります。

重曹(炭酸水素ナトリウム)は弱アルカリ性で、酸性の汚れや油由来の臭いを中和する働きがあります。

使うときは、40℃程度のぬるま湯に重曹を大さじ数杯ほど溶かし、衣類を30分程度つけ置きします。そのあと、いつも通り洗濯してみてください。

重曹は水に溶けにくいため、先にぬるま湯でしっかり溶かしておくのがポイントです。

8-4. 熱湯につけると臭いは取れる?

臭いの原因となる成分は、高温になるほど溶け出しやすくなります。

とはいえ、ポリエステル製品を熱湯につけるのは避けたほうが安心です。

特に60℃以上の熱湯を使うと、生地が大きく縮んだり、取れにくいシワがついたり、プリーツ加工が崩れたりすることがあります。せっかく臭いが取れても、洋服の形が変わってしまっては困りますよね。

お湯を使う場合は、まず洗濯表示を確認しましょう。そのうえで、表示されている上限温度を守り、40℃〜50℃程度までのぬるま湯を使うのがおすすめです。

8-5. 通販で購入した服が強烈に臭う場合は返品できる?

通販で届いた服の臭いがあまりにも強い場合は、まず購入したショップへ相談してみましょう。

通販サイトや店舗によっては、洗濯前でタグが付いたままの状態であれば、「イメージと違った」などのお客様都合でも返品できる場合があります。

また、洗っても取れないほど強い異臭がする場合には、「初期不良(製品の不具合)」として扱われ、洗濯後やタグを外したあとでも返品・交換に対応してもらえるケースがあります。

対応はショップによって異なるため、自分で処分してしまう前に、カスタマーサポートへ問い合わせてみるのがおすすめです。

その際は、「異臭が強く、そのままでは着用できない」など、現在の状態をできるだけ具体的に伝えると相談しやすくなります。

8-6. 新品の臭いと生乾き臭はどう見分ける?

新品特有の臭いと生乾き臭は、臭いの「種類」を意識すると見分けやすくなります。

新品の臭いは、

「石油やガソリンのような機械的な臭い」
「ツンとする薬品のような臭い」
「甘ったるいお香のような臭い」

など、化学的に感じる臭いが特徴です。

一方、生乾き臭は、

「濡れた雑巾を放置したような臭い」
「酸っぱい汗のような臭い」
「部屋干しをしたときのモワッとした臭い」

など、雑菌の繁殖によって生じる独特の臭いです。

新品の服を開封した直後から石油や薬品のような臭いがする場合は、製造工程で使われた成分が残っている可能性があります。

「新品なのに臭う=汚れている」とは限りませんので、まずは臭いの種類を確かめたうえで、適した方法でお手入れしてみてください。

9. まとめ

ここまで、新品のポリエステル製品からする嫌な臭いの原因と、安全にできる臭いの取り方についてご紹介してきました。

最後に、臭いが気になるときに試したい手順を簡単にまとめておきます。

  1. 【まずは原因を知る】新品特有の臭いは、ポリエステルそのものではなく、製造工程で使われる油剤や染料、保管時の防虫剤などが残っていることが原因の場合があります。
  2. 【風通しのよい場所で干す】洗濯表示を確認したうえで、まずは風通しのよい日陰に干して、臭いがやわらぐか様子を見てみましょう。
  3. 【やさしく洗濯する】水洗いできる素材なら、普段使っている洗剤でやさしく洗ってみてください。
  4. 【つけ置きを試す】それでも臭いが気になる場合は、40℃程度のぬるま湯に「粉末の酸素系漂白剤」または「重曹」を入れ、30分〜1時間ほどつけ置きしてみましょう。(※熱湯は使わないようにしてください)
  5. 【それでも臭いが残るときは】何度洗っても強い臭いが残る場合は、加工や保管状態などが影響している可能性もあります。無理に対処を続けず、クリーニング店へ相談したり、販売元へ返品・交換について問い合わせたりするのがおすすめです。

せっかく買った新しい服から嫌な臭いがすると、ちょっと残念な気持ちになりますよね。

とはいえ、多くの場合は、干したり洗ったりすることで臭いがやわらぐことがあります。

ただし、気分が悪くなるほど臭いが強いときは、無理に着続けず、いったん使用を控えてくださいね。

この記事でご紹介した方法を参考にしながら、できることから一つずつ試してみてください。